日本インカレ最終日となる3日目は途中悪天候による中断を挟みながら、男子棒高跳び、男女の4×400mリレーなどの決勝種目が行われた。
「早稲田ヨンパー3人娘」の表彰台独占なるかに注目が集まっていた女子400mHは、今期日本ランキング1位である56秒96のベストタイムを持つ関本萌夏（早稲田大3年）が前日の予選を欠場、小山佳奈（早稲田大4年）と津川瑠衣（早稲田大1年）の争いになるかと思われたが、57秒50で真っ先にゴールに飛び込んだのは札幌国際大4年のイブラヒム愛紗。最後の直線、小山の猛追を凌ぎ切っての勝利だった。小山のタイムは57秒60。3着には57秒96をマークした津川が入った。
女子100mHでは昨年の優勝者で13秒18のベストタイムを持つ田中佑美（立命館大4年）が敗れる波乱があった。13秒36の好タイムで田中との接戦を制したのは昨年のインターハイ女王島野真生（日本体育大1年）。田中のタイムは13秒39、今期に入って勝ちきれずなかなか調子が上がらなかったが、8月のＧＧＰで13秒27をマークし復調を思わせた矢先に、予選から好記録を連発していた島野に脚元を掬われた格好だ。
男子110mHはドーハ世界選手権の代表に選ばれていた泉谷駿介（順天堂3年）が欠場となった中、今期急成長中の村竹ラシッド（順天堂大1年）が13秒69のタイムで制した。
女子800mの川田朱夏（東大阪大3年）と塩見綾乃（立命館大3年）の高校時代から鎬を削るライバル対決はスタート直後の機器トラブルと豪雨によるレース中断を挟んで行われ、2分7秒55で川田が制した。2着の塩見のタイムは2分7秒75。 男子の800mは松本純弥（法政大2年）が1分47秒02の大会新記録で瀬戸口大地（山梨学院大4年、1分47秒28で同じく大会新）との激戦を制した。
女子200mでは前日に100mを圧勝した兒玉芽生（福岡大3年）が23秒68で快勝。4×100mリレーと併せて三冠達成となった。2着には23秒98で齋藤愛美（大阪成蹊大3年）が入った。 男子200mも、100m優勝の水久保漱至（城西大4年が）20秒75で制し二冠となった。2着にも鈴木涼太（城西大3年）が20秒83で飛び込み、城西大のワンツーフィニッシュとなった。
男子5000mは7月のホクレン千歳大会で13分28秒31のジュニア日本記録を樹立した吉居大和（中央大1年）がケニア人留学生Ｌ・キサイサ（桜美林大4年）を破る大金星。先頭集団に7人が残った激戦の中、ラスト一周の鐘がなると一気のスパートで集団を引き離し、13分40秒04のタイムで真っ先にゴールに駆け込んだ。2着には13分42秒60のタイムをマークした三重県の地方大学、皇學館大4年の川瀬翔矢が入った。
フィールドでは、男子三段跳びの高専選手、伊藤陸（近畿大工業高専5年）が最終4回目の跳躍で16m35のジュニア日本記録を打ち立て、優勝に花を添えた。
男子棒高跳びでは昨年の世界陸上ドーハ大会に出場した江島雅紀 （日本大4年）が5m40で連覇を果たした。
日本インカレのフィナーレを飾るのは4×400mリレー決勝。女子決勝は川崎夏実、金子ひとみ、吉中日向子、高島咲季のオール1年生のフレッシュなメンバーで臨んだ青山学院大が3分39秒22で制し、早稲田大学（村上夏美③、川村優佳①、津川、小山）が3分39秒59の2着、3着には3分39秒61で中央大学（高島菜都美②、三輪ダリヤ④、川島 卯未④、大島愛梨②）が入った。
男子決勝は叩き付けるように降る強い雨の中、日本大学（鵜池優至④、荘司晃佑②、井上大地③、山本竜大M①）が早稲田大（小久保友裕④、小竹理恩③、山内大夢 ③、伊東利来也④）との共に大会新となるアンカー勝負の大激戦を3分4秒32で制した。早稲田のアンカー伊東が前半から飛ばしに飛ばす激走で逃げ込みを図れば、直線で日大アンカー山本が猛然と追い込み、ほぼ同時にゴールに飛び込んだ。日大山本は激しい雨の打ち付けるトラックに倒れ込んだまま、立ち上がれない。長い写真判定の結果、僅か0秒02差で日大に軍配が上がる大逆転。三日間の熱戦を締めくくるに相応しい劇的な大幕切れとなった。
最終日のその他種目の決勝の結果は次の通り。
男子400mH決勝 山本竜大（日本大大学院1年）49秒12
女子5000ｍ決勝 中島紗弥（鹿屋体育大3年）16分13秒76
女子ハンマー投げ決勝 小舘充華（こだてみはる、流通経済大4年）58m67
女子砲丸投げ決勝 大野史佳（埼玉大2年）15m58
男子ハンマー投げ決勝 福田翔大（日本大2年）69m61