第104回日本陸上選手権・混成競技プレビュー

国内のキング・オブ・アスリート、クイーン・オブ・アスリートが決まる、第104回日本陸上選手権・混成競技が9月26日、27日、長野市営陸上競技場に於いて開催される。
混成競技とは、男子は1日目に100m、走幅跳、砲丸投げ、走高跳、400m、2日目に110mH、円盤投、棒高跳、やり投げ、1500mが実施される十種競技、女子は1日目に100mH、走高跳、砲丸投げ、200m、2日目に走幅跳、やり投げ、800mが実施される七種競技で、二日に渡り実施される各種目の記録をポイントに換算し、総合点が争われる。その優勝者は敬意をもって、キング・オブ・アスリート、クイーン・オブ・アスリートと称され、欧州では非常に人気が高い。

男子十種競技では、ロンドン、リオデジャネイロのオリンピック2大会連続出場を果たした右代啓祐(うしろけいすけ、国士館クラブ)と、リオデジャネイロオリンピックに出場した中村明彦(スズキ浜松AC)の、ここ10年に渡り優勝を分け合う(右代8回、中村2回)二人に割って入る若手が現れるかがみどころとなるだろう。

右代は196㎝、95㎏の恵まれた体格で、やり投げ、砲丸投げ、円盤投げの投擲種目を得意とする。今年はシーズンベストが東京選手権でマークした7035点と記録が伸びていないが、これは最終種目の1500mを棄権したため。今年で34歳になり、満身創痍の身体と向き合いながらの闘いが常となってきたが、そこは国際大会の経験も豊富なベテランの事、この大会に向けてきっちりとコンディションを合わせてくれるだろう。2016年以来記録していない、8000点が目標となる。

中村はロンドンオリンピックでは練習の一環として取り組んでいた400mHの代表に選ばれた経験が有り、スプリント種目を得意としている。今年のベストは8月の中京大記録会の7450点。7月には棒高跳で5m00を記録するなど跳躍系は好調で、苦手としている投擲種目を克服すれば優勝が見えて来る。

今大会の出場選手中で最も高いシーズンベストを記録しているのが川上ヒデル。(関西学院大3年)先の日本インカレを7653点で制し、勢いが有る。100mで10秒66、走幅跳では7m28の記録を持ち、ポイントの稼げる1日目で右代、中村を上回ってくれば面白い展開になる。

ジュニア時代から将来を嘱望され、2018年の日本選手権では7752点を記録し3位に入る順調な成長を見せながら、昨年に椎間板ヘルニアを発症し、闘病を続けていた期待の若手丸山優真(日本大学4年)が、日本インカレで1年3か月ぶりに競技に復帰。各種目穴の少ないオールラウンダーで、体調さえ整ってくれば上位争いに食い込めるだけの実力は充分に備えている。

女子の七種競技は、2018年から2連覇中の山崎有紀(スズキ浜松AC)と3連覇の経験の有るヘンプヒル恵(アトレ)の二強対決が濃厚だ。

大学4年時から故障に悩まされていたヘンプヒルが、今年は好調。七種のシーズンベストは東京選手権で記録した5646点に留まっているが、100mHでは13秒37、砲丸投げも12m21まで自己ベストを伸ばし、得意の走幅跳も6m11をマーク。
古傷への負担を考慮して身体を絞り、肉体改造に努めた事が功を奏し始めている。二日間の過酷な競技を戦い抜く体力が戻れば、自己ベストの5907点を上回る6000点台も決して不可能な数字ではないだろう。

山﨑は7月の静岡選手権で5534点を記録した後、9月の北陸実業団選手権では単独種目の200mで24秒68を記録するなど、こちらも順調な調整ぶりを見せている。200m、800mではヘンプヒルを凌ぐ力が有り、実力の拮抗している投擲種目の結果が優勝の行方を大きく左右しそうだ。

若手選手では、大玉華鈴(日本体育大3年)が面白い存在。もともとやり投げではヘンプヒル、山﨑を圧倒する51m51の自己ベストがある選手だが、今期走高跳で1m78、100mHで13秒94と好記録をマーク。ポイントを稼げる種目が増え、侮れなくなってきた。実績上位の二人にどこまで迫る事ができるか、注目だ。

また、今大会ではU20混成競技も同時に実施される。次代を担う新星の台頭に期待したい。

文/芝 笑翔

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