大会記録が続出した日本学生陸上競技個人選手権大会2日目の結果

日本学生陸上競技個人選手権大会2日目は、男女100m、男女やり投、男子走幅跳などの決勝種目が行われた。
前日に悩まされた雨も上がり、時おり晴れ間が顔を覗かせる良好なコンディションとあってか、午前中に開始された女子100m予選第8組では関東インカレスプリント2冠に輝いた石川優(青山学院大)が11秒48(+1.5)の大会新をマーク、夕刻より開始された男子の走幅跳決勝では、前日の三段跳を回避しこの種目一本に絞って挑んだ伊藤陸(近畿大工業高専)が8m00(+1.5)のビッグジャンプで8mジャンパーの仲間入りをするなど好記録も飛び出した。

学生ナンバー1スプリンターの決まる男子100m決勝は、シレジア世界リレーの男子4×100mリレーで2走を務め、関東インカレ100mを制した鈴木涼太(城西大)が予選、準決勝とまずまずの走りを見せながら3本目となる決勝を回避、エントリー選手中最速の10秒20の自己ベストを持つデーデー・ブルーノ(東海大)が10秒29で1着となり、嬉しい学生主要大会初戴冠となった。

午前中の石川の大会新で更なる好タイムも期待された女子100m決勝でも、世界リレー選手権代表で、女子4×100mリレーの五輪出場権獲得に貢献した兒玉芽生(福岡大)、齋藤愛美(大阪成蹊大)の二人が回避。勢いのある石川が安定した強さを発揮して記録更新とはならなかったものの11秒58(+0.4)で制した。
どの大会でも必ずと言っても良いくらい上位に顔を出してくる壹岐あいこ(立命館大)がここでも11秒67で2位に入った。好不調の波が比較的少ない事は特筆されるが、そこに留まらない勝負強さも身に付けたいところだ。

また女子400m決勝では松尾季奈、山本亜美、工藤芽衣の立命館大の3人が上位を独占。優勝した松尾のタイムは54秒36だった。

男子の5000mは市村朋樹(東海大)が若林宏樹(青山学院大)とのマッチレースから残り1周で抜け出し、13分45秒20の大会新で優勝を果たした。2着の若林は1年ながらレース中盤での市村の飛び出しには敢然と食らい付いてこれを阻止、終盤には一時市村に替わり先頭を引くなど、堂々とした走りにセンスの高さが伺えた。

男子5000m 市村朋樹(東海大)

女子5000mの小林成美(名城大)と不破聖衣来(拓殖大)の一騎打ちも見応えがあった。5月に行われた日本選手権・10000mで3位に食い込む大健闘を見せた小林に対し、関東インカレを制して勢いに乗る不破。レースは序盤から不破が先頭を引き、やはり二人のマッチレースになった後、終盤に差し掛かり小林が徐々にペースアップを仕掛け引き離しにかかるが、不破も食い下がる。ラスト1周で更にペースを上げる小林に対し、何とか離されずに付いていたように見えた不破が残り200m手前で被せ気味にスパートを仕掛けるが、小林も即座に対応を見せ、先頭は譲ったものの離されない。ラストスプリントまで縺れ込んだ死闘を制したのは、両肩を揺さぶりながら残る力を絞り出した小林だった。大会新となった15分33秒39のタイムは、遅れること0秒43で2着となった不破のタイムともども、この時期のものとしては高く評価ができ、今後は学生レベルに留まらない活躍も期待できそうだ。

男子走幅跳以外のフィールド種目では女子やり投で大記録。
武本紗栄(大阪体育大)が、僅か4日前の木南記念で記録したばかりの58m98の自己ベストを大きく上回る62m39のビッグスローを投じてみせた。大会新記録と言うだけではなく、今シーズンの日本人ランキングでもトップとなり、歴代記録でも4位に相当。東京五輪参加標準記録の64m00も一気に目前まで迫り、代表最終選考会となる日本選手権のダークホースに浮上してきた。

男子やり投では73m76で優勝を果たした鈴木文人以下、4位までを九州共立大勢が独占。こちらもなかなかお目に掛れない素晴らしい偉業と言えるだろう。

日本学生陸上競技個人選手権二日目の決勝種目の結果(3位まで)

トラック種目
女子400m決勝
①松尾季奈(立命館大3年) 54.36
②山本亜美(立命館大1年)55.15
③工藤芽衣(立命館大1年)55.23

男子400m決勝
①佐藤恵斗(環太平洋大 2年)46.99
②根本大輝(順天堂大4年)47.22
③村木渉真(早稲田大院2年)47.29

女子5000m決勝
①小林成美(名城大3年)15:33.69※大会新
②不破聖衣来(拓殖大1年)15:34.12※大会新
③荒井優奈(名城大3年)15:54.19

男子5000mタイムレース総合結果
①市村朋樹(東海大4年) 13:45.20※大会新
②若林宏樹(青山学院大1年) 13:46.82
③山内健登(青山学院大2年) 13:50.43

女子10000m競歩決勝
①籔田みのり(武庫川女子大2年)46:13.21
②立見真央(中京大4年)46:28.72
③梅野倖子(順天堂大1年)46:34.71

女子100m決勝(+0.4)
①石川 優(青山学院大1年)11.58
②壹岐あいこ(立命館大3年)11.67
③三浦愛華(園田学園女子大2年)11.91

男子100m決勝(+0.4)
①デーデー・ブルーノ(東海大4年)10.29
②桑田成仁(法政大4年)10.36
③佐々木啓輔(立命館大4年)10.41

フィールド種目
女子やり投決勝
①武本紗栄(大阪体育大4年)62m39※大会新
②山元祐季(九州共立大3年)57m37
③兵藤秋穂(筑波大4年)53m06

女子棒高跳決勝
①前川 淳(日本体育大4年)3m90
②台信 愛(日本体育大2年)3m80
③山本円香(立命館大4年)3m80

女子三段跳決勝
①髙島真織子(福岡大4年) 12m83(+1.8)
②金子史絵奈(青山学院大4年)12m71(+2.3)
③宮口愛子(日本体育大3年)12m70(+0.8)

男子砲丸投決勝
①幸長慎一(四国大院4年)17m76
②岩佐隆時(東海大5年)17m58
③奥村仁志(国士舘大3年)16m87

男子やり投決勝
①鈴木文人(九州共立大4年)73m76
②比嘉 遥(九州共立大院1年)71m01
③南 辰貴(九州共立大3年)70m95

男子走幅跳決勝
①伊藤 陸(近畿大工業高専S1)8m00(+1.5)
②安立雄斗(福岡大3年)7m92(+1.9)
③津藤広夢(順天堂大3年)7m87(+1.8)

文/ATHLETE News 編集部

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