東京五輪代表のデーデー・ブルーノ、木村文子らに注目! 第61回実業団・学生対抗陸上競技大会

秩父宮賜杯第61回実業団・学生対抗陸上競技大会が7月17日、神奈川のレモンガススタジアム平塚に於いて開催される。2年振りの実施となった本大会の最大の注目は、東京五輪直前ながらこの大会にエントリーしてきた代表選手達の仕上がり具合。
取り分け男子100mに出場する4×100mリレー代表のデーデー・ブルーノ(東海大)にとっては、本番での4人のメンバー入りをアピールする絶好の機会でもある。先月末の日本選手権では山縣亮太(SEIKO)、桐生祥秀(日本生命)のリオ五輪銀メダルメンバーを抑え、優勝した多田修平(住友電工)に次ぐ2位に入り、この激走が認められて五輪代表に選ばれた。しかしながら、ベストタイムはこの時に記録した10秒19と、小池祐貴(住友電工)、サニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)らの9秒台の実績のあるライバルに比べると見劣りのする観は否めない。桐生の故障の回復具合、サニブラウンの調整遅れでその存在が一躍クローズアップされてきたが、日本代表が4×100mRで金メダル獲得を目標に掲げている以上、10秒0台は記録して欲しいところだ。高校時代にサッカー選手から転向した変わり種で陸上経験はまだ浅く伸びしろは充分。激走で本番でのメンバー入りを手繰り寄せる事ができるか。

女子100mH木村文子(エディオン)は、日本選手権では決勝進出を逃し一時は代表の座が危ぶまれたが、世界ランキングで出場圏内に踏み止まり、晴れてロンドン五輪以来2度目の代表に選出された。五輪が1年延期となった昨年は、思い切って心身のメンテナンスに充て、オリンピックイヤーに勝負を賭けていた。2月の鹿児島での室内陸上でシーズンインしてからはまずまずの結果を残していたが、大事な五輪選考会でコンディションを落としてしまっていた。本来、日本の女子選手の中では国際舞台でもパフォーマンスを落とさず、持てる力を発揮できる頼もしい存在。本番へ向けての手応えを掴むためにも、今期好調で急速に力を付けてきた鈴木美帆(長谷川体育施設)を抑え、勝ち切る事が望まれる。

昨シーズンから安定して80m台の投擲を見せ、世界ランキングで代表の座を掴み取った男子やり投の小南拓人(染めQ)。東京五輪が世界デビュー戦となるが、大舞台で各国選手と互角に戦うためには、3投目までに82m以上の投擲が必要となってくる。今大会でここがクリア出来れば、本番での決勝進出も視界に入る。

共に世界ランキングで五輪代表を勝ち取った、男子棒高跳の山本聖途(トヨタ自動車)と江島雅紀(富士通)。リオに続く2大会連続出場となる山本は3月の日本室内で5m70を記録したが、その後この記録を上回れておらず、下降ぎみの調子を再び上昇気流にのせたいところ。一方の江島は日本選手権前の時点では世界ランキング圏外で五輪初出場に赤信号が灯る状況だったが、2位に入って大きくポイントを稼ぐ勝負強さを見せ、上り調子。日本選手権で5m70をクリアし優勝を攫った、今期好調の竹川倖生(丸元産業)を破り、リオ大会でトラック&フィールドの個人種目では唯一となった澤野大地(富士通)に続く、同種目日本人選手2大会連続入賞へ弾みをつけたい。

本番を直前に控える五輪代表以外の選手たちにとっては、来年のオレゴン世界陸上や、その先にあるパリ五輪を目指す、次の戦いが始まっている。東京五輪参加標準記録を突破しながら3着に入れず、トラック&フィールドで標準記録を突破した選手の中では唯一代表を逃した400mH豊田将樹(富士通)、突破まであと僅かに迫りながら日本選手権の決勝でフライングを犯し、決戦に挑めなかった110mH石川周平(富士通)、出場圏内を目指し数度に渡り懸命に挑戦しながら果たせなかった女子マイルリレーメンバーの青山聖佳(大阪成蹊大学AC)、小林茉由(J.VIC)松本奈菜子(東邦銀行)のリスタート、また。復調を目指し100mに出場する女子短距離期待のホープ御家瀬緑(住友銀行)、女子3000m障害でパリ五輪強化選手に指定され、1500mでスピード強化に取り組んでいる西出優月(関西外語大)といった、若手選手のパフォーマンスも楽しみにしたい。

文/芝 笑翔 (Emito SHIBA)

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