男子はエチオピアのキロスが2時間6分01秒の大会新でV、西山和弥が2時間6分45秒の初マラソン日本最高記録で日本勢トップの6位、MGC出場権獲得は9名!女子優勝はエチオピアのH・ベケレ、渡邊桃子が2時間23分08秒で3位、2名がMGC出場権獲得!大阪マラソン2023の結果

大阪マラソン2023が2月26日、大阪府庁前をスタートし、大阪城公園内にゴールする42.195㎞のコースで行われ、男子のレースは2時間4分41秒とエントリー選手中最も速い自己記録を有するエチオピアのH・キロスが、ウガンダのV・キプランガットとのラストスプリント勝負を制し、2時間6分01秒の大会新記録で優勝を果たした。
2位のキプランガットは2時間6分03秒、2017年のロンドン世界陸上マラソン3位、オリンピックのマラソンではリオで5位、東京は7位と二大会連続で入賞を果たしている、タンザニアのA・シンブが2時間6分19秒で3位となった。

日本人選手のトップは中学生の頃から全国都道府県駅伝で活躍し、東洋大学時代には箱根駅伝で主に1区を任されていた実業団2年目で今回が初マラソンの西山和弥(トヨタ自動車)で、初マラソン日本最高記録、日本歴代7位タイとなる2時間6分45秒で6位に入り、パリ五輪代表選考会、MGCの出場権を獲得した。
西山と同い年で日本体育大を卒業後、実業団のカネボウ(現Kao)に進み、10000mで27分台をマークするなど着実に成長を続けていた池田耀平も2時間6分53秒で従来の初マラソン日本最高記録を上回って日本人選手2番手の7位に続き、MGC出場権を獲得。
東京五輪では補欠候補選手として、ぎりぎりまで代表選手と同様の準備を進めていた、既にMGC出場権を獲得している大塚祥平(九電工)も自身初の2時間6分台となる2時間6分57秒で日本人3番手の8位に入った。
2時間7分05秒と今大会にエントリーした日本選手で最も持ちタイムの良かった定方俊樹(三菱重工)は2時間7分24秒で日本人選手4番手の10位、昨年の大会で2時間8分49秒を記録し、ワイルドカードでMGC出場権を獲得した川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)は、2時間7分35秒で12位だった。

また、西山和、池田の他、2時間7分28秒で日本人5番手の11位となった吉岡幸輝(中央発條)が日本人選手6位内のMGCチャレンジ指定大会の規定でMGC出場権を獲得、2時間7分49秒でゴールした作田将希(JR東日本)、2時間7分55秒の土井大輔(黒崎播磨)、2時間7分57秒の小山裕太(トーエネック)の3人が2時間8分00秒以内のワイルドカード規定でMGC出場権を獲得、更に昨年の防府読売マラソンで2時間9分27秒をマークしていた畔上和弥(トヨタ自動車)が2時間8分29秒、昨年の東京で2時間8分31秒の河合代二(トーエネック)が2時間8分32秒で、昨年の別大で2時間10分11秒の大六野秀畝(旭化成)が2時間9分26秒でそれぞれゴールし、期間中の対象大会二レースの平均タイム2時間10分00秒以内のワイルドカード規定でMGC出場権を獲得、このレースでのMGC出場権獲得者は9名に登り、ファイナリストは50名を突破して計57名となった。

その一方で、前回のMGCで2位に入って東京五輪代表となるも、五輪本番では酷暑から熱中症による脱水症状に陥て73位に終わり、今大会でMGC出場権獲得をし再起を賭けていた服部勇馬(トヨタ自動車)は、35㎞手前で出場権争いから後退し始めると、その後は巻き返すことが出来ず2時間9分47秒でのゴールとなり、今大会でMGC出場を決める事が出来なかった。
男子は11位の吉岡までが昨年に星岳が記録した2時間7分31秒の大会記録を上回り、8位までが2時間6分台、2時間7分58秒で18位の山口武(西鉄)までが2時間7分台、29位までが2時間8分台と、国内レースとしては水準の高いレースとなり、また、これまで昨年のベルリンマラソンで2時間7分14秒をマークした其田健也(JR東日本)一人に留まっていた、日本陸連が定める2時間7分39秒のブダペスト世界陸上派遣設定記録の突破選手は西山和、池田、大塚、定方俊、吉岡、川内と6名に上った。

女子はエチオピアのH・ベケレが2時間22分16秒の大会新記録で優勝を果たし、同じくエチオピアのB・テゲファが2時間23分07秒で2位、テゲファとラストスプリントにまでもつれ込む2位争いを演じた渡邊桃子が2時間23分08秒で日本人トップの3位となってMGC出場権を獲得すると共に、2時間23分18秒のブダペスト世界陸上派遣設定記録を突破、2時間25分51秒で5位に入った西田美咲(エディオン)もJMCシリーズG2指定大会の規定によりMGC出場権を獲得、これで女子のMGCファイナリストは28名となった。
昨年の山陽女子ロードレースのハーフマラソンで日本人選手トップになるなど今季好調で今大会を迎えた唐沢ゆり(九電工)は2時間27分27秒で6位に入ったがMGC出場権獲得ラインには27秒届かず、既にMGC出場権を獲得している福良郁美と川内理江の大塚製薬の二人は。福良が2時間32分04秒の10位、川内が2時間36分33秒の12位に留まった。

男子は30㎞地点で昨年に続き川内が仕掛け、レースが動き始める

男子のレースはペースメーカの太田智樹(トヨタ自動車)、M・ギザエ(スズキ)、J・ルンガル(中央発條)らが最初の5㎞を15分00秒、20㎞通過が1時間ジャストと測った様な正確さで1㎞3分の設定ペースを刻む中、海外や国内の有力招待選手はハーフ通過時でも50人は居ようかという大集団の中ほどに控え、日本人選手ではこのレースでMGC出場権獲得を目指すJR東日本の作田将、トヨタ自動車の畔上、2時間9分48秒を持つNTNの辻野恭哉、これまでフルマラソンでの実績の無かった旭化成の小野知大、コモディイイダの横田佳介らが、海外選手では一般参加でモロッコの長身選手、シタシェンがペースメーカの直後で積極的にレースを進めた。これだけ大きな集団となれば、序盤にコニカミノルタの宮下隼人が他選手とぶつかったり、25㎞地点では定方俊樹と西山和弥が交錯したりと、給水時のトラブルもあったが、それでも大きく人数を減らすことなく29㎞手前から始まる高低差20mの坂に差し掛かった。

大集団はPMのルンガル、J・カランジャを先頭にこの坂を駆け上がり、下りに入ると昨年の再現をするかのように、川内優輝が集団の前でペースを上げ始めたが、すかさず被せるようにエリトリアのM・ケセテ、ウガンダのV・キプランガットが対応を見せ、国内勢では定方、西山、西鉄の山口、作田らも追随、昨年のように集団を絞り込む事は出来なかったが、ここからレースが動き始めるその予兆を感じさせる、最初の揺さぶりとなった。
25㎞からの5㎞は登り坂も有ってスプリットが15分12秒に落ちたが、川内が引き続ける集団のペースは、その後も続く細かなアップダウンや終盤に備える駆け引きのためかペースが上がらない。
31kmを過ぎて川内が位置取りを下げ、押し出されるように先頭に立った辻野が意を決してペースを上げると、2019年のドーハ世界陸上で40㎞過ぎまで優勝争いに加わって5位に入賞した実績のある南アフリカのS・モコカが本格的な仕掛けを被せて集団は縦長に崩れ、モコカの後ろをケセテ、キプランガット、シタシェン、ここまで集団の中に潜んでいた持ちタイムナンバー1のエチオピアのキロス、以前安川電機に所属した事も有るエチオピアのA・デグ、日本でもお馴染みのタンザニアのシンブらが続き、日本人選手では山口がこの集団に食らい付き、少し間隔を置いて川内、西山、作田がそれを追い、その後ろに戸上電機製作所のS・カリウキが引っ張る、定方、九電工の大塚、トヨタ自動車の服部らを含む集団と続く。先頭はモコカ、キプランガット、キロスが先頭を交代しながらペースを上げ下げする駆け引きが有り、集団からデグが遅れ、代わって後を追ってきた西山、Kaoの池田、NTNのC・K・カマウが集団に追いつき、シタシェン、山口は遅れそうになりながらも踏み止まっている。日本人トップの山口を追っていた、川内、作田は、追走集団に吸収され、この集団は川内、作田にカリウキ、大塚、トーエネックの河合と小山、ここまで大健闘の中央発條の吉岡と大阪ガスの西、黒崎播磨の土井の8名、ここに後方から追ってきた中国電力の菊地駿弥と、一度は遅れかけた定方が再び盛り返して迫っていたが、服部勇馬は更に後方で歯を食いしばっている。

残り5㎞で一気にペースが上がると、健闘の西山、池田も遅れ始め・・・

35㎞までの5㎞のスプリットは15分03秒と再び1㎞3分ペースに戻るも、給水地点でキロスがボトルを落とした事をきっかけに押し出されるたかたちで西山が先頭を引くが、集団の選手たちはお互いの出方を窺う牽制モードに入り、追走集団から抜け出した大塚、吉岡の姿も大きくなり、遅れ始めた山口、シタシェンをかわす勢いだ。残り5㎞の直前でキプランガットが被っていたキャップをかなぐり捨て、再びペースを上げると、シンブ、続いてモコカ、キロスが反応、やや遅れて西山、池田、カマウが続く。西山と池田の残り5kmの通過が1時間51分47秒ほど、その2秒から3秒前に海外勢4人、6秒遅れの1時間51分53秒で大塚、吉岡が通過、山口を挟み、カリウキが脱落した追走集団を、菊地と大阪ガスの西研人が引っ張り1時間52分03秒で通過した。この集団でも残り5㎞を16分台まで落とさなければ2時間8分を切る事が可能な好ペースだ。

給水でもたついたキロスが、キプランガット、シンブ、モコカに追いつき、キプランガットが更に1㎞2分50秒までペースを上げると、西山、池田との差は拡がり、モコカも優勝争いから脱落。残り2㎞でシンブが振り落とされ、キプランガットとキロスの激しいマッチレースに。決着は大阪城公園内にまで持ち越され、残り200mを切ってからの激しいラストスプリント勝負をキロスが制し、2時間6分01秒の大会新で優勝を果たした。日本人トップ争いは、41㎞地点のアンダーパスで同学年の池田を振り切り、2021年のびわ湖で小椋祐介(ヤクルト)が2時間6分51秒を記録して以来の2時間6分台となる、2時間6分45秒の初マラソン日本記録で西山和弥が真っ先にゴールした。池田も2時間6分53秒で星岳の持っていた2時間7分31秒の従来の初マラソン日本最高記録を上回り、東京五輪はマラソン代表の補欠候補選手に甘んじた大塚が池田に4秒差に迫る2時間6分57秒で自身初の2時間6分台を記録した。

難コース、大阪での2時間6分台は実力の証明

日本人選手トップが、優勝したキロスから40秒余りの差を付けられた事に、厳しい見方をする向きもあるが、同じように1㎞3分ペースで推移しながら、30㎞以降の海外選手の仕掛けに対応が出来なかった福岡国際、別府大分から比べれば、32㎞からのモコカのペースアップに山口が食らい付き、初マラソンの西山、池田も海外選手の先頭集団に追い付き、残り5㎞を迎えるまでそこに踏み留まったレース内容は高い評価に値し、しかも大阪のコースはペースを一旦落とさなければならない折り返し点が5回と多く、更に30㎞以降に起伏もあり、加えて海外勢の勝負術、駆け引きを伴った展開の中での2時間6分台は、最後に追い上げてきた大塚を含めて能力の高さを証明したと言ってよい。

MGC出場権を巡っても、様々なドラマが
日本人選手トップを巡る争いの他に、MGC出場を目指す選手達も見応えのあるレースをしてみせた。

2時間7分28秒で日本人選手4位に入り、順位でMGC出場権をもぎ取った吉岡は、過去にも2020年、東京五輪ファイナルチャレンジとなったびわ湖毎日、その年の暮れに行われた福岡国際と、30㎞まで先頭集団に食らい付く走りを見せており、例え後半にタイムを落とそうとも、果敢にチャレンジをする意思を持ち続け、実践を続ければ、やがてブレイクスルーの時が訪れる事を示した。
2021年のびわ湖で2時間7分42秒で当時の初マラソン日本記録をマークした作田将も、PMが外れるまでほぼその直後に位置を取る積極的な走りを見せ、勝負どころのレース後半になってからは、上半身にぶれが出るのも構わず、必死に腕を振って身体を前に進める執念で2時間7分49秒と2時間8分切りを果たしワイルドカードでMGC出場権を獲得、昨年のベルリンマラソンで2時間9分40秒をマークし、この大会で2時間10分20秒を切れば二本平均で2時間10分を切りワイルドカードでのMGC出場が叶う黒崎播磨の土井大輔も、更に上のタイムを目指して先頭集団に潜んでレースの流れに乗って2時間7分55秒の自己記録でゴール。
2021年のびわ湖で2時間8分46秒の自己記録を出しながら、昨年2月の別大、8月の北海道、12月の福岡と3度MGC出場権獲得に挑みながら悉く跳ね返され、4度目の挑戦となった小山裕太も2時間7分57秒で2時間8分切りを果たすと渾身のガッツポーズを見せ、このレースに賭けた思いの強さを滲ませた。

昨年12月の防府読売でMGC出場ラインの3位、橋本遼(GMOインターネット)に12秒及ばず2時間9分27秒の5位となっていた畔上和弥も、作田将同様に序盤から積極的にレースを進めて2時間8分29秒の自己記録、昨年の東京マラソンで2時間8分31秒をマークした河合代二も、当初予定の東京マラソンから急遽予定を変更して今大会に挑み、2時間8分32秒でゴール、出場日本人選手中、定方に次ぐ二番手の自己ベストの2時間7分12秒を持ちながら、一昨年の福岡で2時間13分45秒の18位、昨年の別大では2時間10分11秒の10位に留まっていた大六野秀畝も、30㎞付近で集団から遅れそうになりながら、何とか終盤も粘り、2時間9分26秒でゴールして、それぞれ二本平均2時間10分切りのワイルドカード規定でMGC出場権を獲得。
惜しかったのは防府読売マラソンで2時間11分07秒で走っていた竹内竜真(NDソフト)で、32㎞過ぎの最後の折り返しで縦長になっていた集団から遅れた後も、落ちてきた選手を拾いながら粘りに粘り、自己記録の2時間8分57秒でゴールを果たしたが、二本平均のワイルドカード規定でのMGC出場獲得に3秒届かず、時計を見た後太腿を叩いて悔しがった。
残り5㎞を切って、日本人選手6位集団の先頭を引っ張る見せ場のあった、筑波大時代は26年ぶりの箱根駅伝出場に貢献した西研人も、40㎞以降に疲れが出て2時間8分11秒と2時間8分00秒以内のワイルドカード規定に11秒届かなかった。

既にMGC出場権を獲得している選手では先にも触れた通り、マラソン3回目の山口武の積極性が目立った他、定方も一度は日本人6位の集団から離されながらも後半に順位を上げ、2時間7分24秒でゴールをし、後半にタイムを落としていた一昨年の福岡、昨年の東京マラソンからの進境を示した。
昨年夏にカナダのオタワでマラソン初優勝を遂げた下田裕太(GMOアスリーツ)は2時間8分42秒でのゴール、自身8分台以内は通算4度目で大崩れしない安定感はあるのだが、今大会では大きなインパクトのある走りとはならなかった。

また32㎞で先頭集団から遅れるまで、常に先頭付近でレースを進めていた辻野恭哉、横田佳介は、それぞれ2時間9分39秒、2時間11分43秒と自己記録を更新、格上の選手たちに一歩も引かない果敢な攻めの姿勢は、吉岡のような今後のブレイクを予感させ、対照的に終始集団の中ほどに潜み、気が付けば2時間8分30秒でゴールしていた小森コーポレーションの大﨑遼の粘りの走り、現役ラストランをサブテンで飾るために先頭集団に懸命に食らい付き、達成を目前にしたゴール直前に両脚の痙攣で動けなくなるも、設けられたフェンスにしがみつくようにして再び立ち上がり、2時間10分31秒の自己ベストでゴールしたKaoの文元慧の競技への熱い思いもまた素晴らしかった。

気になる服部勇馬の今後

MGCの出場権を得られなかった服部勇馬だが、序盤の5㎞過ぎに右太もも裏に違和感が生じていたと、レース後に明かした。東京五輪代表選考会となった前回のMGCを巡っては、国内の指定レースが終了した後、MGCチャレンジの期間が終了する直前のハンブルグマラソンに挑戦した高久龍(ヤクルト)、荻野皓平(当時富士通、引退)、一色恭志(GMOインターネットグループ)、鈴木健吾(富士通)の4人がワイルドカードでMGC出場権をもぎ取っており、今回の対象期間の終わる5月31日までに脚の状態が回復に向かい、二本平均2時間10分00秒以内のワイルドカード規定でMGC出場権獲得が出来る2時間10分13秒を目指し、海外マラソンに挑戦することがあるのか、或いは設定記録を突破することが条件となるMGCファイナルチャレンジで五輪3枠目の椅子を直接狙いに行くのか、その動向が注目される。MGCファイナルチャレンジの設定記録は、JMCシリーズⅡの全大会終了後に発表となる見込みだが、前回の例を踏襲したと仮定して、目指す事になりそうな記録は、今のところMGCチャレンジシリーズ期間中のベストタイム、昨年の東京で鈴木がマークした2時間5分28秒、という事になる。

西山が残り5㎞を14分57秒で走破も、優勝のキロスは14分16秒

今大会では、西山が残り5㎞を日本人選手唯一の14分台となる14分57秒、大塚が40㎞以降日本人選手トップの6分31秒と、ペースの維持が難しいレース最終盤で1㎞3分を切るペースに上げる事ができたにも関わらず、優勝したキロスは残り5kmを推定14分16秒と、それまでのペースが違うとはいえ2021年のびわ湖で鈴木健吾(富士通)が2時間4分56秒の日本新記録をマークした際に走破した14分24秒を軽々と上回るタイムで差を拡げられており、海外勢の底知れぬ力を見せつけられた事もまた確かだ。しかしながら、タイムを追う事より順位を取りに行く事に徹し、勝負術にも優れる国際大会入賞の常連、シンブとの差が26秒とそれほど差が大きくなかったことから、パリ五輪での好成績が全くの夢とばかりは言い切れない、むしろ今後次第で可能性は残されていると思わせるレースだったのではないだろうか。
西山と池田は「怖さを知らない」初マラソンでの好結果であり2回目以降の再現性や、今回は1㎞3分だった設定ペースが1㎞2分58秒~56秒、5㎞換算で14分50秒から40秒という更に速いペースになった時に、30㎞以降もペースを維持できるかといった新たな課題も出てくるが、レース後のインタビューで西山が「同い年の星の初マラソン日本最高記録を見て、マラソンへの挑戦を決めた」と語っていたように、若い世代の活躍が更なる良績を生みだす好循環が出来つつ有り、この点においても男子長距離界の未来について、日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの言葉を借りるなら、「光明を見出せた」と思えるのだ。

文/芝 笑翔 (Emito SHIBA)

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大阪マラソン2023
男子の結果(30位まで)
1)H・キロス(エチオピア)2:06:01※大会新
2)V・キプランガット(ウガンダ)2:06:03※大会新
3)A・シンブ(タンザニア)2:06:19※大会新
4)C・K・カマウ(NTN/ケニア)2:06:37※大会新
5)S・モコカ(南アフリカ)2:06:42※大会新
6)西山和弥(トヨタ自動車)2:06:45※大会新、初マラソン日本最高記録、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破、MGC出場権獲得
7)池田耀平(Kao)2:06:53※大会新、初マラソン日本歴代2位、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破、MGC出場権獲得
8)大塚祥平(九電工)2:06:57※大会新、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破
9)M・ケセテ(エリトリア)2:07:06※大会新
10)定方俊樹(三菱重工)2:07:24※大会新、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破
11)吉岡幸輝(中央発條)2:07:28※大会新、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破、MGC出場権獲得
12)川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)2:07:35※ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破
13)作田将希(JR東日本)2:07:49※MGC出場権獲得
14)E・ゲブレヒウェト(イタリア)2:07:53
15)土井大輔(黒崎播磨)2:07:55※MGC出場権獲得
16)O・アイト シタシェン(モロッコ)2:07:57
17)小山裕太(トーエネック)2:07:57※MGC出場権獲得
18)山口 武(西鉄)2:07:58
19)西 研人(大阪ガス)2:08:11
20)柏 優吾(東洋大)2:08:11※日本人学生歴代2位
21)菊地駿弥(中国電力)2:08:20
22)A・デグ(エチオピア)2:08:28
23)畔上和弥(トヨタ自動車)2:08:29※MGC出場権獲得
24)大﨑 遼(小森コーポレーション)2:08:30
25)河合代二(トーエネック)2:08:32※MGC出場権
26)A・ランダッセム(スペイン)2:08:32
27)下田裕太(GMOインターネットグループ)2:08:42
28)竹内竜真(NDソフト)2:08:57
29)J・オロンバヤル(モンゴル)2:08:58
30)B・テシャガー(エチオピア)2:09:02
30位以降の主な選手の結果
31)S・カリウキ(戸上電機製作所/ケニア)2:09:26、32)大六野秀畝(旭化成)2:09:26※MGC出場権獲得、33)辻野恭哉(NTN)2:09:39、34)服部勇馬(トヨタ自動車)2:09:47、35)飯田貴之(富士通)2:09:57、36)小野知大(旭化成)2:10:15
37)文元 慧(Kao)2:10:31、38)藤村共広(スズキ)2:10:33、39)大野陽人(大東文化大)2:11:17、40)坂田昌駿(NTN)2:11:30、41)横田佳介(コモディイイダ)2:11:43、42)奈良凌介(ヤクルト)2:11:48、44)谷原先嘉(大阪府警)2:12:37、47)宮下隼人(コニカミノルタ)2:13:49、48)堤 悠生(JFEスチール)2:14:01、49)橋本隆光(小森コーポレーション)2:14:01、51)湯浅 仁(中央大)2:15:12、54)森井勇磨(京都陸協)2:15:44、61)柴田拓真(小森コーポレーション)2:17:13、76)今井隆生(SSAC)2:19:36、80)服部翔大(日立物流)2:20:25、82)廣瀨大貴(大阪ガス)2:21:29、84)坪内淳一(黒崎播磨)2:21:57、126)山田直弘(YKK)2:26:42、128)寺田夏生(JR東日本)2:27:07

女子の結果(20位まで)
1)H・ベケレ(エチオピア)2:22:16※大会新
2)B・デゲファ(エチオピア)2:23:07※大会新
3)渡邉桃子(天満屋)2:23:08※大会新、ブダペスト世界陸上派遣設定記録突破、MGC出場権獲得
4)L・ウェイトマン(オーストラリア)2:23:15※大会新
5)西田美咲(エディオン)2:25:51※大会新、MGC出場権獲得
6)唐沢ゆり(九電工)2:27:27
7)V・キプラガト(ケニア)2:28:44
8)青木奈波(岩谷産業)2:30:01
9)平島美来(ユニクロ)2:30:49
10)福良郁美(大塚製薬)2:32:04
11)M・ポントン(オーストラリア)2:33:48
12)川内理江(大塚製薬)2:36:33
13)下門美春(埼玉医科大学グループ)2:36:58
14)松村幸栄(コモディイイダ)2:37:24
15)中尾有梨沙(ユニバーサルエンターテインメント)2:40:20
16)井野光子(リンクスタイル) 2:43:19
17)髙野美幸(埼玉医科大学グループ)2:44:10
18)田中礼美(平塚市陸協)2:44:44
19)堀岡智子(Bee sports)2:44:58
20)山﨑夢乃(ユニバーサルエンターテインメント)2:45:03

車いす男子優勝
河室隆一 1:40:13
同女子
ペリー 絵美子 2:07:57

参考資料
男子マラソン日本歴代20傑
1)鈴木健吾(富士通)2:04:56※2021/02/28 びわ湖
2)大迫 傑(nike)2:05:29※2020/03/01 東京
3)設楽悠太(Honda)2:06:11※2018/02/25 東京
4)高岡寿成(カネボウ)2:06:16※2002/10/13 シカゴ
5)土方英和(Honda)2:06:26※2021/02/28 びわ湖
6)細谷恭平(黒崎播磨)2:06:35※2021/02/28 びわ湖
7)高久 龍(ヤクルト)2:06:45※2020/03/01 東京
7)西山和弥(トヨタ自動車)2:06:45※2023/02/26 大阪
9)井上大仁(三菱重工)2:06:47※2021/02/28 びわ湖
10)藤田敦史(富士通)2:06:51※2000/12/03 福岡国際
10)小椋裕介(ヤクルト)2:06:51※2021/02/28 びわ湖
12)池田耀平(Kao)2:06:53※2023/02/26 大阪
13)上門大祐(大塚製薬)2:06:54※2020/03/01 東京
14)犬伏孝行(大塚製薬)2:06:57※1999/09/26 ベルリン
14)大塚祥平(九電工)2:06:57※2023/02/26大阪
16)定方俊樹(三菱重工)2:07:05※2020/03/01 東京
16)吉田祐也(GMOインターネット)2:07:05※2020/12/06 福岡国際
18)大六野秀畝(旭化成)2:07:12※2021/02/28 びわ湖
19)佐藤敦之(中国電力)2:07:13※2007/12/02 福岡国際
20)其田健也(JR東日本)2:07:14※2022/09/25 ベルリン

初マラソン歴代記録
1)西山和弥(トヨタ自動車)2:06:45※2023/02/26 大阪
2)池田耀平(Kao)2:06:53※2023/02/26 大阪
3)星 岳 (コニカミノルタ)2:07:31※2022/02/27 大阪
4)作田将希(JR東日本)2:07:42 2021/02/28 びわ湖
5)西山雄介(トヨタ自動車)2:07:47※2022/02/06 別府
6)浦野雄平(富士通)2:07:52※2022/02/27 大阪
7)足羽純実(Honda)2:07:54※2021/02/28 びわ湖
8)山下一貴(三菱重工)2:08:10※2021/02/28 びわ湖
9)藤原正和(中央大学)2:08:12※2003/03/02 びわ湖
10)佐藤敦之(早稲田大)2:09:50※2000/03/05 びわ湖
10)土井大輔(黒崎播磨)2:08:13※2021/02/28 びわ湖
12)吉田祐也(青山学院大学)2:08:30※2020/02/02 別府
12)古賀淳紫(安川電機) 2:08:30※2022/02/06 別府
14)武田凛太郎(ヤクルト) 2:08:48※2022/02/27 大阪
15)中西亮貴(トーエネック)2:08:51※2022/02/06 別府
16)森下広一(旭化成) 2:08:53※1991/02/03 別府
17)久保和馬(西鉄) 2:08:53 2021/02/28 びわ湖
18)小山直城(Honda) 2:08:59※2022/03/06 東京
19)聞谷賢人(トヨタ紡織) 2:09:07※2020/02/02 別府
20)森田知行(カネボウ) 2:09:12※2012/03/04 びわ湖

男子マラソン日本人学生歴代20傑
1)横田俊吾 (青山学院大) 2:07:47※2023/02/05 別府
2)柏 優吾 (東洋大学) 2:08:11※2023/02/26 大阪
3)藤原正和 (中央大学) 2:08:12※2003/03/02 びわ湖
4)吉田祐也 (青山学院大学)2:08:30※2020/02/02 別府
5)細谷翔馬 (帝京大学) 2:09:18※2022/03/06 東京
6)佐藤敦之 (早稲田大学) 2:09:50※2000/03/05 びわ湖
6)土方英和 (國學院大学) 2.09.50※2020/03/01 東京
8)出岐雄大 (青山学院大学)2:10:02※2012/03/04 びわ湖
9)藤田敦史 (駒澤大学) 2:10:07※1999/03/07 びわ湖
10)瀬古利彦 (早稲田大学) 2:10:12※1979/04/16 ボストン
11)鈴木健吾 (神奈川大学) 2:10:21※2018/02/25 東京
11)堀尾謙介 (中央大学) 2:10:21※2019/03/03 東京
13)中村祐二 (山梨学院大学)2:10:49※1995/03/19 びわ湖
14)竹井祐貴 (亜細亜大) 2:10:57※2022/02/27 大阪
15)松尾淳之介(東海大学) 2:11:00※2020/02/02 別府
16)佐藤航希 (早稲田大学) 2:11:13※2023/02/23 延岡西日本
17)大野陽人 (大東文化大学)2:11:17※2023/02/26 大阪
18)野口英盛 (順天堂大学) 2:11:20※2002/03/03 びわ湖
19)下田裕太 (青山学院大学)2:11:34※2016/02/28 東京
20)佐藤 舜 (上武大学) 2:11:39※2015/02/22 東京

MGC出場権獲得者一覧(獲得順)
1)細谷恭平(黒崎播磨)2:08:16※2021福岡 初
2)大塚祥平(九電工)2:08:33※2021福岡 ②
3)髙久 龍(ヤクルト)2:08:38※2021福岡 ②
4)上門大祐(大塚製薬)2:08:56※2021福岡 ②
5)神野大地(セルソース)2:9:34※2021防府 ②
6)西川雄介(トヨタ自動車)2:7:47※2022別府 初
7)鎧坂哲哉(旭化成)2:7:55※2022別府 初
8)藤曲寛人(トヨタ自動車九州)2:8:20※2022別府 初
9)古賀淳紫(安川電機)2:08:30※2022別府 初
10)相葉直紀(中電工)2:08:44※2022別府 初
11)中西亮貴(トーエネック)2:08:51※2022別府 初
12)星 岳 (コニカミノルタ)2:07:31※2022大阪 初
13)山下一貴(三菱重工)2:07:42※2022大阪 初
14)浦野雄平(富士通)2:07:52※2022大阪 初
15)丸山文裕(旭化成)2:07:55※2022大阪 初
16)岡本直己(中国電力)2:08:04※2022大阪 ②
17)今井正人(トヨタ自動車九州)2:08:12※2022大阪 ②
18)川内優輝(あいおいニッセイ同和損保)※ワイルドカード・2021防府、2022大阪②
19)鈴木健吾(富士通)2:05:28※2022東京 ②
20)其田健也(JR東日本)2:07:23※202東京2 初
21)湯澤 舜(SDホールディングス)2:07:31※2022東京 初
22)聞谷賢人(トヨタ紡織)2:07:55※2022東京 初
23)土方英和(Honda)2:08:02※2022東京 初
24)佐藤悠基(SDホールディングス)2:08:17※2022東京 ②
25)定方俊樹(三菱重工)※ワイルドカード・2021福岡、2022東京 初
26)田口雅也(Honda)※ワイルドカード・2021福岡 2022東京 初
27)吉田祐也(GMOインターネットG)※ワイルドカード・JMC上位選手 初
28)井上大仁(三菱重工)※ワイルドカード・JMC上位選手 ②
29)下田裕太(GMOインターネットG※ワイルドカード・2022東京、2022オタワ 初
30)柏 優吾(東洋大)2:11:41※2022北海道 初
31)青木 優(カネボウ)2:11:44※2022北海道 初
32)松本 稜(トヨタ自動車)2:11:51※2022北海道 初
33)山口 武(西鉄)2:11:55※2022北海道 初
34)丸山竜也(トヨタ自動車)2:07:50※ワイルドカード・2022ベルリン 初
35)武田凜太郎(ヤクルト)02:10:18※ワイルドカード・2022大阪、2022ベルリン 初
36)中村祐紀(住友電工)2:08:29※2022防府 初
37)山本翔馬(NTT西日本)2:08:52※2022防府 初
38)橋本 崚(GMO)2:09:12※2022防府 ②
39)秋山清仁(愛知製鋼)2:08:43※2022福岡 初
40)赤崎 暁(九電工)2:09:01※2022福岡 初
41)大石港与(トヨタ自動車)2:09:08※2022福岡 初
42)久保和馬(西鉄)※ワイルドカード・2022東京、2022福岡 初
43)市山 翼(小森コーポレーション)2:07:44※2023別府 初
44)横田俊吾(青山学院大)2:07:47※2023別府 初
45)木村 慎(Honda)2:07:55※2023別府 初
46)小山 司(SUBARU)2:08:00※2023別府 初
47)作田直也(JR東日本)※ワイルドカード・2022東京、2023別府 初
48)村本一樹(住友電工)※ワイルドカード・2022大阪、2023別府 初
49)西山和弥(トヨタ自動車)2:06:45※2023大阪 初
50)池田耀平(Kao)2:06:53※2023大阪 初
51)吉岡幸輝(中央発條)2:07:28※2023大阪 初
52)作田将希(JR東日本)2:07:53※ワイルドカード・2023大阪 初
53)土井大輔(黒崎播磨)2:07:55※ワイルドカード・2023大阪 初
54)小山裕太(トーエネック)2:07:57※ワイルドカード・2023大阪 初
55)畔上和弥(トヨタ自動車)※ワイルドカード・2022防府、2023大阪 初
56)河合代二(トーエネック)※ワイルドカード・2022東京、2023大阪 ②
57)大六野秀畝(旭化成)※ワイルドカード・2022別府、2023大阪 初

MGC出場権獲得者一覧女子(獲得順)
1)松田瑞生(ダイハツ)2:20:52※2022大阪国際女子 ②
2)上杉真穂(スターツ)2:22:29※2022大阪国際女子 初
3)松下菜摘(天満屋)2:23:05※2022大阪国際女子 初
4)谷本観月(天満屋)2:23:11※2022大阪国際女子 ②
5)阿部有香里(しまむら)2:24:02※2022大阪国際女子 初
6)佐藤早也伽(積水化学)2:24:47※2022大阪国際女子 初
7)一山麻緒(ワコール)2:21:02※2022東京 ②
8)新谷仁美(積水化学)2:21:17※2022東京 初
9)森田香織(パナソニック) 2:27:38※2022東京 初
10)安藤友香(ワコール)2:22:22※2022名古屋 ②
11)細田あい(エディオン)2:24:36※2022名古屋 初
12)鈴木優花(大東文化大)2:25:02※2022名古屋 初
13)福良郁美(大塚製薬)2:25:15※2022名古屋 初
14)太田琴菜(JP日本郵政G)2:25:56※2022名古屋 初
15)竹本香奈子(ダイハツ)2:26:23※2022名古屋 初
16)岩出玲亜(千葉陸協)※ワイルドカード・2022大阪、名古屋 ②
17)川内理江(大塚製薬)※ワイルドカード・2022大阪、名古屋 初
18)和久夢来(ユニバーサルエンターテインメント)※ワイルドカード・JMC上位選手 初
19)山口 遥(AC.KITA)2:29:52※2022北海道 初
20)加世田梨花(ダイハツ)2:21:55※ワイルドカード※2022ベルリン 初
21)鈴木亜由子(日本郵政グループ)2:22:02※ワイルドカード・2022ベルリン ②
22)大西ひかり(日本郵政グループ)2:25:54※ワイルドカード・2022名古屋、2022ベルリン 初
23)吉川侑美(ユニクロ)2:25:20※2023大阪国際女子 初
24)前田彩里(ダイハツ)2:25:24※2023大阪国際女子 ②
25)池田千晴(日立)2:25:59※2023大阪国際女子 初
26)大東優奈(天満屋)2:26:09※2023大阪国際女子 初
27)渡邊桃子(天満屋)2:23:08※2023大阪 初
28)西田美咲(エディオン)2:25:51※2023大阪 初

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