3日に静岡県袋井市のエコパスタジアムで行われる第38回静岡国際陸上競技大会では、男女の200m、400m、800m、400mHのトラック8種目、男子の走高跳、ハンマー投、女子の走幅跳、円盤投のフィールド4種目の計12種目がグランプリ種目として行われる。
男子の400mは3組のタイムレースで行われ、3組には今季すでに45秒台をマークしている中島祐気ジョセフ(東洋大)、地主直央(法政大)の二人に加え、オレゴン世界陸上では準決勝に進出、今季は出雲陸上の300mを制し満を持しての400m初レースとなる佐藤風雅(ミズノ)がエントリー、45秒台決着は必至のハイレベルなレースを期待できそうだ。
東京五輪代表の黒川和樹(法大)の存在に刺激を受け、後を追いかける学生の選手層が厚くなっている男子400mHも、400mと同じく3組のタイムレースでの実施となり、1組には東京五輪で準決勝に進んだ山内大夢(東邦銀行)2組には今年の学生個人選手権では110mHを制した豊田兼(慶應義塾大)、3組には黒川の他、ロンドン五輪の同種目代表で、昨年のオレゴン世界陸上にも出場した岸本鷹幸(富士通)、昨年9月の日本インカレで黒川を降し、10月のAthletics Challenge Cup では49秒07と48秒が目前に迫る好記録を叩き出した田中天智龍(早大)が出場予定となっている。黒川は4月22日の学生個人への出場は見送ったが、4月2日の六大学対校戦ですでに49秒35をマークしており、体調に問題がなければ、まだ突破できていない世界陸上参加標準記録、48秒70を目指してのレースとなるだろう。
昨年のオレゴンで、二大世界大会への久々の出場を果たした岸本は3月にオーストラリアで行われたブリスベントラッククラシックを50秒02で制し、今季も上々の滑り出しを見せている。
この優勝は、世界ランキングでの出場権獲得を考慮すれば非常に大きな価値があり、好調の波に乗って更に好記録を出し、ポイントの上乗せを図っていきたい。
田中は六大学戦、学生個人選手権と共に本来の走りではなかったが、そろそろ巻き返しに期待をしたい。この組を走る選手にとっては、国際大会の経験も豊富な台湾のベテラン、陳傑が手ごわいライバルとなりそうだ。
フィールドではアジア室内選手権を2m28で優勝し、世界ランキングでの世界陸上出場が有望となってきた、赤松諒一(アワーズ)の跳躍に注目だ。
女子の注目は走幅跳の秦澄美鈴(シバタ工業)。
オレゴン世界陸上代表の秦は、昨年、追い風に乗って自身初の6m60をマークし、その後のゴールデングランプリ優勝から世界陸上出場へのブレイクスルーのきっかけとなった兵庫リレーカーニバルで、今年は逆に向かい風に阻まれて6m35に留まり、ランキングポイントを若干落としている。
2月のアジア選手権では6m64で文句なしの優勝を果たしているので、コンディションにさえ恵まれれば自己記録の6m67に迫り、また上回るジャンプを見せることも可能だろう。
また、男子200mの上山紘輝(住友電工)、飯塚翔太(ミズノ)、800mの金子魅玖人(中央大)、薄田健太郎(DeNA)、走高跳の瀬古優斗(滋賀陸協)、ハンマー投の柏村亮太(ヤマダHD)、中川達斗(新潟アルビレックスRC)、福田翔太(日本大)、女子800mの塩見綾乃(岩谷産業)、女子400mHの宇都宮絵莉(長谷川体育施設)、山本亜美(立命館大)、女子円盤投の郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)は、流動的ではあるが現在のところ世界ランキングでの世界陸上出場権獲得が充分目指せる位置につけており、静岡国際陸上を含め出場する一戦一戦が非常に大事になってくる。
文/芝 笑翔 (Emito SHIBA)
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