いよいよ8月19日、ブダペスト世界陸上が開幕となる。ATHLETE Newsでは、日本代表選手の選手名鑑を作成、観戦の参考として楽しんで頂ければ。まずは男子編から

ブダペスト世界陸上代表
<男子>
*100m
サニブラウン・アブデル・ハキーム(東レ)⑤
PB:9.97 SB:10.09(シーズントップリスト81位)
WAランキング 58)1213pt
昨年のオレゴン世界陸上は100mで日本人選手初の9秒台(予選9秒98)、決勝進出、7位入賞。今年はシーズンインを遅らせブダペストにピークを合わせる方針を取るも日本選手権で3位以内を逃し、先月20日にスイス・ローザンヌで10秒09を出し代表に滑り込んだ。二大会連続入賞の偉業に挑む。

坂井隆一郎(大阪ガス)②
PB:10.02 SB:10.08(74)
WAランキング 34)1247pt
昨年のオレゴン大会は初出場ながら準決勝進出。今季は安定感が増し、日本選手権では足首に痛みを抱えながらも初優勝、アジア陸上選手権ではメダルを逃がすも、直後に行われたダイヤモンドリーグロンドン大会の4×100mリレーでは第一走者を務めて今季世界最速の37秒80での優勝、世界陸上出場権獲得に貢献し、コンディションは上向きだ。

栁田大輝(東洋大)②
PB:10.02 SB:10.02(43)
WAランキング 33)1250pt
オレゴンでは4×100mリレーメンバーとして世界の舞台を踏むも失格と悔しさを味わったが、そこからコロンビアのU20世界陸上に転戦し、10秒15の自己ベスト、今季は日本選手権で10秒13で2位、実学対抗で10秒10と自己記録を伸ばし、アジア選手権では10秒02で優勝と爆発的に成長中。初の個人種目代表も、9秒台、決勝進出が視界に入ってきた。

*200m
鵜澤飛羽(筑波大)初
PB:20.23 SB:20.23(43)
WAランキング 24)1258pt
5月の静岡国際では追い風参考(+2.6)ながら20秒10をマークして勢いに乗り、日本選手権では20秒32で優勝、アジア選手権を20秒23で制すなど、100mの柳田同様、今季大きく成長した若手選手の一人。初出場ながら決勝進出や、リレーでの貢献も期待される。

上山紘輝(住友電工)②
PB:20.26 SB:20.43(85)
WAランキング 61)1197pt
オレゴン大会は初出場ながら準決勝へ進出も、第三走者を務めたリレーは失格と悔しさも味わった。今季序盤は昨年ほどの勢いが感じられなかったが、アジア選手権で3位に入りランキングスコアを大きく上げ、再び代表に。急遽召集されたダイヤモンドリーグロンドン大会での4×100mリレーではアンカーとして世界陸上出場権獲得に大きく貢献、準備は万端に整っている。

飯塚翔太(ミズノ)⑤
PB:20.11 SB:20.43(85)
WAランキング 72)1188pt
2016年リオ五輪4×100mリレーで第二走者を務め銀メダルを獲得に貢献。今年は日本選手権で3位以内を逃したが、その後も諦めずヨーロッパを転戦し、参加標準記録突破を目指した執念が実り、WA招待により世界選手権の代表に。男子スプリント陣の精神的支柱、まとめ役としての役割も担い、その存在感の大きさは替わる人物がいない。

*400m
佐藤拳太郎(富士通)④
PB:45.00 SB:45.00(45)
WAランキング 27)1241pt
リオ五輪はマイルリレーメンバとなったが控えで出場は無し、東京五輪のマイルリレーでは当時の日本タイ記録をマークするも決勝進出はならず。オレゴン大会では代表を逃がし、4位となった日本代表の活躍を見守る他なかったが、今季は鮮やかに復活、アジア選手権では日本歴代2位の45秒00で優勝を果たし、4度目で初となる個人種目代表としても、44秒台、決勝進出を視野に入れる。

中島佑気ジョセフ(東洋大)②
PB:45.12 SB45.12(56)
WAランキング 17)1251pt
初出場となった昨年のオレゴン大会はマイルリレーのアンカーとして4位、2分59秒51のアジア新記録樹立に大きく貢献、今年は45秒15で日本選手権優勝、7月にはスペインのマドリードで行われた国際大会で自己記録を45秒12に自己記録を伸ばし、今や押しも押されもせぬロングスプリントのエース格。佐藤拳同様初の個人種目代表だが、44秒台、決勝進出を目指す。

佐藤風雅(ミズノ)②
PB:45.13 SB:45.13(59)
WAランキング 35)1231pt
一昨年の実業団選手権を45秒84で制すと勢いに乗り、昨年は一気に世界陸上の代表まで上り詰め、本番でも個人種目で準決勝進出を果たし、またマイルリレーの4位に貢献。今年もブダペストへ向けてしっかりと調子を合わせ、日本選手権は45秒26で2位に入り、アジア選手権では佐藤拳に敗れたが、45秒13の自己記録で銀メダル。個人種目では決勝進出、マイルリレーは佐藤拳、中島と共にメダル獲得へと腕を撫す。

*5000m
塩尻和也(富士通)初
PB:13:16.53 SB:13:19.85(111)
WAランキング 35)1208pt
リオ五輪の3000m障害代表、5000m、10000mでも国内トップクラスの実力者だが意外なことに世界陸上は初の代表だ。国内のケニア人選手にも怯まず勝負を挑む向こうっ気の強さで、決勝進出を果たせるか。

遠藤日向(住友電工)②
PB:13:10.69 SB:13:20.84(116)
WAランキング 25)1224pt
初の代表として挑んだ昨年のオレゴン大会は予選敗退と世界の壁に跳ね返された。今季は5月のGGPの3000mで大きくランキングスコアを伸ばし、日本選手権、アジア選手権の5000mで連勝し、ブダペストに合わせてきた。ラストスパートの切れ味に定評が有ったが、ここのところ早めに仕掛けて押し切るレースを見せるなど悲願の決勝進出へ向けて、対応力も上がってきた。

*10000m
田澤廉(トヨタ自動車)②
PB:27:23.44 SB:27:28.04(18)
WAランキング 34)1204pt
初の代表となった昨年のオレゴン大会は28分24秒25で20位と悔しい結果。今季は連続出場へ最後まで標準記録突破を目指しながら果たせなかったが、アジア選手権優勝の資格で晴れて代表となった。酷暑のタイでの激走後とあってコンディション維持の難しさはあるが、世界に食らいつきたい。

*110mH
泉谷駿介(住友電工)③
PB:13.04 SB:13.04(5)
WAランキング 5)1369pt
昨年のオレゴン大会は決勝進出を期待されながら、準決勝敗退、レース後にコロナウィルスに感染が発覚と不完全燃焼に終わったが、今季は日本選手権で13秒04の日本新で優勝を果たすとその後はヨーロッパに渡り、スイス・ローザンヌでは向かい風1.0mで13秒22をマークしダイヤモンドリーグ初制覇、ロンドン大会では13秒06で2位と、メダルも見える位置まで来ており、後は本番を待つばかりだ。

高山峻野(ゼンリン)③
PB:13.10 SB:13.25(24)
WAランキング 20)1289pt
昨年は日本選手権で3着以内を逃がし、その後の布勢スプリントで標準記録を突破するもまさかの代表落選を経験。オレゴン世界陸上終了直後の8月の実学対抗で13秒10と早々にブダペスト世界陸上の標準記録を突破して意地を見せると、今年の6月の日本選手権で泉谷に次ぐ2位に入り代表に内定、アジア選手権も制して仕上がりは上々だ。「僕は泉谷君の恩恵を授かるだけ」と口にしているが、ドーハ世界陸上準決勝では素晴らしいスタートダッシュで先頭争いを演じながら中盤でハードルに接触して失速、快挙を逃がしているだけに、秘める思いは強いはず。

横地大雅(Team SSP)初
PB:13.33 SB:13.33(38)
WAランキング 44)1228pt
参加標準記録を突破していた泉谷、高山に次ぐ代表3枠目争いが熾烈を極めたなか、日本選手権で3位を確保、その後はアジア選手権で5位に入りランキングでの出場圏内を維持し、初の世界陸上代表に。アジア選手権後もANG福井で自己記録を13秒33にまで伸ばし、上り調子で本番を迎える。

*400mH
児玉悠作(ノジマ)初
PB:48.77 SB:48.77(35)
WAランキング 16)1266pt
学生時代は2021年の個人選手権2位があるものの、後輩の黒川の活躍の陰に隠れがちだったが、社会人1年目の今季は静岡国際で49秒01でタイムレース総合1位、GGPでは48秒77で49秒切りと覚醒。日本選手権優勝は逃したが、アジア選手権は2度目の48秒台となる48秒96で2位に入り、堂々の代表選出となった。48秒70のパリ五輪参加標準記録の突破を果たせれば、決勝進出も見えてくる。

黒川和樹(法政大)②
PB:48.68 SB:49.03(44)
WAランキング 37)1208pt
東京五輪出場に次ぎ、昨年はオレゴンで準決勝に進出とここまで順調に成長を重ねてきたが、今季に入って序盤からなかなか調子が上がらず、代表選考会の日本選手権では決勝進出を逃すなど不振を極めたが、ラストチャンスの田島記念で優勝を果たしてWAランキングで出場圏内に入る日本人選手二番手に浮上し、代表を捥ぎ取った。伝統の男子400mHのエースが不振を脱し、世界の舞台で一皮向けた姿を見せることが出来るか。

岸本鷹幸(富士通)⑤
PB:48.41 SB:49.28(59)
WAランキング 41)1203pt
2012年ロンドン五輪代表のベテランは、3月にオーストラリアで行われたブリスベン・トラッククラシックでの優勝や、5月のGGPでの3着など着実にランキングスコアを積み重ねて世界陸上出場資格を獲得し、5度目の代表に。オレゴンでは泉谷と同様にレース後にコロナ感染が発覚、力を出し切れなかっただけに、ブダペストではリベンジを期す。

*3000m障害
三浦龍司(順大)②
PB:8:09.91 SB:8:09.91(7)
WAランキング 4)1345pt
東京五輪は7位入賞、更なる躍進が期待されたオレゴンではまさかの予選落ちと苦杯を喫したが、ダイヤモンドリーグではファイナルに進出し4位と実力を示し、今期に入ってもダイヤモンドリーグパリ大会で8分09秒91で2位に入るなど進化を続けている。WAランキングは4位まで浮上し、メダル獲得も見える位置にあるが、世界陸上ではトップクラスの選手はさらにギアを上げてくる。ブダペストでは三浦自身の真価も問われる大会だ。

青木涼真(Honda)②
PB:8:20.09 SB:8:21.96(41)
WAランキング 32)1212pt
東京五輪で予選敗退に終わった後、冬季は2年続けてアメリカで武者修行に励むなど競技の追及にひた向きな姿勢が光る。今年の日本選手権は転倒ごに障害に接触し、7着に終わったが、アジア選手権ではかなりの余力を持って優勝を果たし、実力が上がってきたことを伺わせた。決勝進出がパリ五輪への試金石となるだろう。

砂田晟弥(プレス工業)初
PB: SB:8:26.36(62)
WAランキング 46)1185pt
姫路商業を経てプレス工業入社4年目の新鋭は、高校時代には400mHもこなし、中長距離への転向は実業団入り後の変わり種。3000m障害では取り組み始めて3年目の昨年に夏のホクレンDCで8分43秒94と初の9分切りを果たすと、今季は織田記念、GGPで上位に健闘、日本選手権で8分26秒36で2位に入る躍進を見せ、アジア選手権では銅メダルを獲得。一気に世界陸上代表へと駆け上がった勢いがどこまで通用するか、楽しみだ。

*走高跳

真野友博(九電工)②
PB:2m31 SB:2m26(25)
WAランキング 17)1224pt
昨年のオレゴン大会では7位に入賞。クリアすれば代表内定となる2m32の参加標準記録を跳ぶことは出来なかったが、ランキング上位で2大会連続の代表を決め、再び入賞を目指す。2回バーを落としても3回目にはクリアしてくる修正能力の高さと粘り強さが身上だ。

赤松諒一(アワーズ)②
PB:2m30 SB:2m30(12)
WAランキング 12)1244pt
昨年のオレゴン大会では決勝進出を果たせず世界の壁に跳ね返されたが、今年に入り、2月のアジア室内ではオレゴン韓国の世界陸上銀メダリスト、禹相赫を破る堂々の金メダルを獲得、6月の日本選手権では2m29で優勝を果たす。アジア選手権は5位に留まったが、翌週のトワイライトゲームズでは自己記録となる2m30をクリア、初の世界陸上決勝進出、上位入賞へ、準備は整った。

長谷川直人(新潟アルビレックスRC)初
PB:2m26 SB:2m25(32)
WAランキング 26)1196pt
今季のベストは2m25だが、GGP、日本選手権、アジア選手権と要所で上位に食い込む勝負強さを発揮、スコアを伸ばしてWAランキングでの世界陸上初出場となった。失うもには何もなく、初の檜舞台でも持ち前の思い切りの良さで決勝進出を目指す。

*棒高跳
柄澤智哉(日本体育大)初
PB:5m60 SB:5m56(66)
WAランキング 59)1177pt
昨年の日本選手権2位の後、日体大記録会で5m60の自己ベストをマーク、今季は四月の四大学競技会で5m56を跳ぶと学生個人選手権は5m30で優勝、日本選手権を5m41で制し、世界陸上への可能性を残すと、アジア選手権では5m51で4位に入ってランキングを浮上させ、世界陸上代表の座を掴んだ。ワールドユニバーシティゲームズでは4位とメダルまであと一歩届かなかったが、若さで世界の舞台での決勝進出に挑む。

*走幅跳
城山正太郎(ゼンリン)②
PB:8m40 SB:8m01(65)
WAランキング 33)1204pt
8m40の日本記録保持者も近年は不振に陥っていたが、日本選手権で追い風参考ながら8m11を跳び優勝を果たすと、アジア選手権では8m01と4年ぶりの8mジャンプで6位に入り、復調を感じさせている。決勝に進み11位となった2019年ドーハ大会以来二大会ぶりの世界陸上で完全復活となるか、期待をしたい。

橋岡優輝(富士通)③
PB:8m36 SB:8m06(48)
WAランキング 29)1209pt
本来はメダル争いも充分可能な実力の持ち主だが、今季は助走と踏切の改良に着手し、シーズンベストは8m06。初出場となった6月のダイヤモンドリーグローザンヌ大会では向かい風1.2mで記録は7m98だったが3位に食い込んでいる。昨年のオレゴン大会は足首の具合が思わしくなく10位に留まったが、これまで見せてきた大舞台での強さをブダペストで発揮し、ドーハ大会以来の2度目の入賞を期待。

吉田弘道(神崎郡陸協)初
PB:8m26 SB:8m26(12)
WAランキング 47)1171pt
立命館大時代の2021年7月に8m14をマークして8mジャンパーに。5月のGGPで8m26を跳び標準記録を突破するも、日本選手権で決勝進出を逃すなどその後は不振に陥っているが、それでも代表に選ばれたからには、開き直って思い切り攻めるしかない。昨年8月の記録会でも8m12を記録しており、8月開催は好材料かもしれない。

*三段跳
池畠旭佳瑠(駿河台大AC)初
PB:16m75 SB:16m73(32)
WAランキング 38)1161pt(38)
日本選手権では2020年以来3年ぶりの優勝を果たし、代表となったアジア選手権ではセカンドベストの16m73で銀メダルを獲得、ここで獲得したスコアが大きくものを言って男子三段跳では2017年ロンドン大会の山本凌雅(当時順天堂大、現JAL)以来の日本代表に。17m00オーバーと1991年東京大会での山下訓史(当時NEC、11位)以来の決勝進出に挑む。

*やり投
ディーン元気(ミズノ)②
PB:84m28 SB:83m15(22)
WAランキング 7)1248pt
2012年のロンドン五輪代表もその後は低迷期間が続いたが、2020年頃から復調傾向となり、東京五輪代表には届かなかったが昨年のオレゴン世界陸上で10年ぶりに世界の舞台での代表に復活、決勝に進み9位となった。今年も安定して80mスローを見せて世界ランクも7位まで上昇、入賞の期待も高い。

﨑山雄太(愛媛陸協)初
PB:83m54 SB:83m54(19)
WAランキング 30)1157pt
日本大学出身、卒業後の2019年に80m14と初めて80mオーバーを記録し、昨年5月のGGPで自己記録を80m51に。今年5月の木南記念で投じた83m54はディーンの83m15を抑え今シーズン日本人選手トップ、堂々の記録を引っ提げ、まずは混戦必至の予選突破に挑む。

小椋健司(エイジェック)②
PB:81m63 SB:80m13(54)
WAランキング 36)1143pt
今季は日本選手権でトップ8に残れず、またなかなか80mスローが出ていなかったが、世界陸上出場へ向けてのラストチャレンジとなったANG福井で80m13をマークして優勝を果たし、土壇場で世界ランクで上位だった新井涼平(スズキ)を逆転して2大会連続代表に滑り込んだ。目標はオレゴンで果たせなかった決勝進出、そしてトップ8入りだ。

*十種競技
丸山優真(住友電工)初
PB:7816 SB:7816(65)
WAランキング 40)1185pt
高校時代から将来を嘱望された「混成種目の大器」が、日本大学時代に現役生活が危ぶまれるほど苦しんだ胸椎椎間板ヘルニアを乗り越え、アジア選手権チャンピオンの資格で世界陸上代表に。大舞台での自身初の8000点越えが、パリ五輪へと道を拓く。

*マラソン
其田健也(JR東日本)初
PB:2:05:59 SB:2:05:59
WAランキング 44)1277pt
2度目のフルマラソンとなった2020年のびわ湖で2時間9分50秒をマークし初のサブテンをマークして以降、翌年びわ湖で2時間8分11秒、2022年は東京で2時間7分23秒、ベルリンで2時間7分14秒、そして今年の東京では2時間5分59秒と、安定感は抜群だ。レース後半まで上位争いに食い下がり、勝負を仕掛けられるようならメダル争いのチャンスが出てくる。

山下一貴(三菱重工)初
PB:2:05:51 SB:2:05:51(31)
WAランキング 43)1277pt
初マラソンの2021年びわ湖で2時間8分10秒、2回目の昨年大阪では2時間7分42秒で2位、そして3回目となった今年の東京では32㎞から先頭を引っ張る積極性を見せつつ、日本人選手トップの2時間5分51秒で7位に食い込む粘り強さも発揮。その思い切りの良さと後半の粘りが世界の舞台でどこまで通用するか、楽しみだ。

西山和弥(トヨタ自動車)初
PB:2:06:45 SB:2:06:45(54)
WAランキング 119)1173pt
東洋大1、2年時には箱根1区で連続区間賞、トヨタ自動車入社後、今年2月の大阪マラソンでは2時間6分45秒の初マラソン日本新記録で日本人選手トップの6位、途中32㎞過ぎで一度は先頭集団から離されながら残り5㎞付近で追いつき、一度は先頭を伺う動きを見せるなど、山下同様に積極性が持ち味。初マラソンより難しいと言われる2回目が世界陸上となるが、ここでも10000m27分台の実力を発揮したい。

*20km競歩
山西利和(愛知製鋼)③
PB:1:17:15 SB:1:20:58(55)
WAランキング 3)1330pt
ドーハ世界陸上の20㎞で金メダルも、東京五輪は銅メダル、昨年のオレゴン大会では世界選手権連覇を果たし、ブダペストでは三連覇の偉業に挑む。京都大学工学部卒でで頭脳も明晰。

池田向希(旭化成)③
PB:1:17:25 SB:1:18:36(3)
WAランキング 4)1325pt
東京五輪では山西を抑えて銀メダル獲得も、昨年のオレゴン大会では山西に及ばずの銀メダル。3度目の二大世界大会での山西との対決を制し、悲願の金メダル獲得がなるか。

髙橋英輝(富士通)⑤
PB:1:17:26 SB:1:19:07(10)
WAランキング 15)1248pt
リオ五輪、東京五輪代表。世界陸上は2015年の北京大会の20㎞が初出場、以降5大会連続の代表で、最高成績はドーハ大会の10位。ブダペストでは自身初の8位入賞を飛び越え、メダル獲得を目指す。

古賀友太(大塚製薬)初
PB:1:18:42 SB:1:18:42(12)
WAランキング 29)1204pt
明治大学在学中の東京五輪は補欠にまわり、昨年のオレゴン世界陸上も代表には届かず。今年3月の日本競歩輪島大会で派遣設定記録の1時間19分30秒を突破する1時間19分19秒で優勝し、初の世界選手権代表に内定した。

*35km競歩
川野将虎(旭化成)②
PB:2:23:15 SB:2:26:51(8)
WAランキング 2)1358pt
東京五輪50㎞競歩は6位入賞、昨年のオレゴン世界陸上では新設された35㎞で2時間23分15秒の日本記録で銀メダルを獲得。ブダペストではパリ五輪でこの種目が実施されない悔しさを胸に、2大会連続メダルを狙う。

野田明宏(自衛隊体育学校)③
PB:2:23:13 SB:2:23:13(2)
WAランキング 8)1285pt
ドーハ世界陸上の50㎞競歩は酷暑もあり途中棄権、昨年のオレゴン大会の35㎞では終盤まで入賞争いを演じながらも9位とあと一つ入賞に届かず。三度目の世界大会で初の入賞を目指す。

丸尾知司(愛知製鋼)②
PB:2:25:49 SB:2:25:49(⑤)
WAランキング 14)1224pt
京都・洛南高校からびわこ成蹊スポーツ大を経て愛知製鋼へ。東京五輪50㎞競歩は暑さに苦戦し36位、世界陸上代表は5位に入った2017年のロンドン大会50㎞以来となるが、メダルを争う力は十分に有る。

*4×100mR
小池祐貴(住友電工)③
PB:9.98 SB:10.11(95)
WAランキング 73)1200pt※100m
100m、200mの個人種目では代表を逃がすも、4×100mリレーメンバーとして3度目の世界陸上代表に。メンバー争いは厳しさもあるが、実力者の小池が控えているのは心強い。

水久保漱至(第一酒造)初
PB:20.43 SB:20.43(85)
WAランキング 96)1163pt※200m
城西大学4年時の2020年に100mで10秒14をマークして日本インカレを制したが、その後は故障もあってやや停滞。今季に入って当時の走りを取り戻し、日本選手権では100mで4位、200mで3位と好走し、4×100mリレー代表に。バックアップメンバーとしてサポートをしながら、出場のチャンスを伺う。

*4×400mR
今泉堅貴(筑波大)初
PB:45.54 SB:45.54(126)
WAランキング 85)1177pt
5月の静岡国際で初の45秒台となる45秒73をマークすると、翌週の木南記念では45秒65に記録を伸ばし、日本選手権では45秒54で4位と今季急成長した一人。アジア選手権では混合マイルリレーで日本記録更新に貢献している。個人種目代表の3人に次ぐ4人目のリレーメンバーはメダルを目指すうえで重要だが、ワールドユニバーシティゲームズで調子を落としていたのは気掛かり。

地主直央(法政大)初
PB:45.58 SB:45.58(131)
WAランキング 100)1164pt
4月の学生個人選手権で他選手に先駆けて、また自身初の45秒台となる45秒98をマークして優勝を果たしてきっかけを掴み、木南記念で45秒78、GGPで45秒76と立て続けに45秒台をマーク、日本選手権も45秒97で5位となった。ワールドユニバーシティゲームズでは45秒58の自己記録で4位とメダルに迫り、マイルメンバー入りをアピール。

岩崎立来(三重県スポーツ協会)②
PB:45.19 SB:45.19(66)
WAランキング 135)1142pt
昨年のオレゴン大会はマイルリレーではサポートに回ったが、混合マイルリレーに出場し、世界の舞台を経験。今季は序盤調子が上がらなかったが、先月末の田島記念で45秒19の日本歴代10位の好タイムをたたき出し、2大会連続代表の座を掴んだ。岩崎がここまで記録を伸ばして来たのはメダル獲得を目指すうえで非常に頼もしいが、調子の波がやや大きいのが珠にキズか。

以上が代表選手の自己ベスト、シーズンベストとWAランキングにATHLETE News的コメントを添えた男子の名鑑となる。女子編も続けてお届けしたい。

文/芝 笑翔 (Emito SHIBA)

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