延岡西日本マラソンでは早稲田大の伊福陽太がサブテンの大会新で初マラソン初優勝!実業団ハーフの女子は樺沢和佳奈、男子は四釜峻佑が制す!第62回延岡西日本マラソン、第52回全日本実業団ハーフの結果

2月11日は第62回延岡西日本マラソン大会、第52回全日本実業団ハーフマラソン大会と二つのロードレース大会が行われ、延岡西日本マラソンでは早稲田大学3年の伊福陽太が、日本人学生歴代6位となる2時間9分26秒で初マラソン初優勝を果たした。
2位にも東洋大学3年の梅崎蓮が2時間10分19秒で入り、2時間10分46秒でゴールした大塚製薬の相馬崇史までの上位3名が従来の大会記録を更新。

全日本実業団ハーフの男子はロジスティードの四釜峻佑が、競技場内で追い上げたヤクルトの太田直希を僅かに抑え、1時間0分41秒で制した。太田は同タイムの2位、3位には1時間0分47秒でヤクルトの鎌田航生が入った。

女子の部は三井住友海上の樺沢和佳奈が競技場直前で粘る天満屋の西村美月を突き放し、1時間10分13秒で初優勝を果たし、19歳の西村が1時間10分22秒で2位、九電工の唐沢ゆりが1時間10分26秒で3位となった。

延岡西日本マラソン
東京世界陸上2025のマラソン代表選考に関わるJMCシーリズⅢにグレード3大会として組み込まれた延岡西日本マラソンは、午前8時35分に延岡市役所前をスタート、ペースメーカの村山謙太(旭化成)とJ・モゲニ(亜細亜大)が1㎞3分4秒から5秒と設定よりも速めながら安定したペースを刻む中、20名近くの大集団で前半ハーフを1時間5分3秒で通過する、2006年に鷲尾優一(当時三菱重工長崎)が記録した2時間11分05秒の大会記録を大幅に更新し、サブテンも望める絶好の展開でレースは進行した。
25㎞でペースメーカの村山、モゲニがレースを外れると、相馬崇史が1㎞3分01秒にペースを上げて集団から抜け出しにかかったが、引き離し切れずペースが落ちたところで今度は伊福陽太が一気に1㎞2分59秒までペースを上げて独走態勢に入った。
2位集団は伊福のスパートに対応を迷う間に引き離され、誰が伊福を追い掛けて集団を引っ張るかを探り合う牽制状態となり、30㎞までの5㎞を15分10秒でカバーした伊福との差は28秒に広がった。
独走に持ち込んだ伊福は難所の船越峠を越える35㎞までの5㎞も15分06秒と爆走し、2時間8分台さえ見えてきた。
2位集団からは梅崎蓮と相馬が抜け出し、伊福を追い始めたが時すでに遅しの感があった。伊福は35㎞をすぎてから強まった向かい風に阻まれペースを落とし、2時間8分台には届かなかったが2時間9分26秒でゴールし、初マラソンで優勝を果たすとともにサブテンを達成。
21歳1か月でのサブテンは、1998年の別大マラソンで記録した清水昭(杵築東芝)の21歳5か月より早く、国内最年少での達成となった。
伊福と同年齢の梅崎が終盤に相馬を突き放し、2時間10分19秒で2位に入り、大学生の健闘が光る大会となった。
伊福は箱根駅伝は8区で区間5位、梅崎は2区で6位ながら1時間6分45秒の好タイムで走っており、箱根駅伝を区間上位で走れる力があれば、大学生でもマラソンで通用するポテンシャルがあることを、大学在籍時にMGC出場権を獲得した柏優吾(東洋大卒、現コニカミノルタ)、横田俊吾(青山学院大卒、現JR東日本)に続き示してみせた。
今後こうした学生選手の走力を更に伸ばし、どのような方法で6分台、5分台のワールドクラスの選手にまで育てていけるかが大学長距離界、ひいては日本長距離界の課題となるが、箱根駅伝が男子長距離界の競技水準の向上や、選手層の厚みを齎しているのは確かなことだ。

全日本実業団ハーフマラソン女子
山口市の維新みらいふスタジアムを発着点に行われた全日本実業団ハーフマラソンの女子のレースは、入りの5㎞が17分09秒とスローペースとなったが、10㎞までの5㎞は16分40秒、15㎞までの5㎞は16分33秒と徐々にペースアップ、30人以上の選手が犇めく大集団から、この時点で先頭争いは12名ほどに絞られた。
15㎞を過ぎて、集団の前方に付け、積極的にレースを進めていた天満屋の高卒1年目、西村美月が仕掛け気味にペースを上げると、続々と選手が篩い落とされ、優勝争いは西村と、昨年12月の日本選手権10000m5位入賞の樺沢和佳奈(三井住友海上)、昨年12月の山陽女子ロードレースのハーフマラソンで日本人選手トップとなった唐沢ゆり(九電工)、立命館大4年だった昨年1月の大阪ハーフを制している飛田凜香(第一生命グループ)の4人に絞られ、18㎞過ぎには飛田、19㎞手前で唐沢が脱落し、レースは西村と樺沢のマッチレースに。トラックスピードが有り、実績も残している樺沢に対し、実業団1年目の若い西村が果敢に勝負、勝負と仕掛け続けるが、樺沢も動じることなく対応を見せ、逆に20㎞を過ぎると今度は樺沢がすっと動きを切り替えて前に出た。
西村も懸命に追い縋ったが、スピードに勝る樺沢が競技場内でぐんぐん差を広げ、1時間10分13秒で実業団ハーフ初優勝を果たした。
西村は樺沢と9秒差の1時間10分22秒で2位、終盤粘って西村に4秒差まで詰め寄った唐沢が1時間10分26秒で3位、飛田は1時間10分34秒の4位でゴールした。

慶應義塾大学時代は1500mを主戦場としていた樺沢は、卒業後資生堂に進み、長い距離にも適応を見せていたが、三井住友海上に移籍した昨年、5000m15分18秒76、10000m31分45秒19と一気に記録を伸ばし、学生時代の2018年以来となった実業団ハーフでも結果を残した。
今大会は優勝を目標に勝負に徹していたが、終始余裕を持ったレース運びを見せており、記録的にも1時間8分台辺りは目指せる伸び代を感じさせる。
体力的にも申し分なく、目標として掲げているトラック5000mでのオリンピック出場へ向け、弾みの付くレースとなったのではないだろうか。

大健闘の西村は、高卒社会人1年目の選手としては2013年の山陽女子ロードレースのハーフマラソンで岩出玲亜(当時ノーリツ、現デンソー)が1時間9分45秒をマークして以来の1時間10分台の好記録となった。
序盤から先頭集団を引っ張ってレースを作り、中盤では集団を篩にかけ、終盤は実績豊富な選手たちにも怯まず勝負を挑んだ堂々とした戦いぶりは、新鮮な驚きに溢れていた。
15㎞から20㎞までの5㎞のスプリットは16分16秒と、トラック5000mの自己記録の16分17秒14を上回っており、ロードとトラックの違いはあれど、20㎞以上走る中で、しかもレース後半に刻んだラップであることや、優勝した樺沢との比較において考えても、現時点で5000m15分30秒に限りなく近いトラックスピードを有しているものと思われ、女子長距離界待望のニューヒロイン誕生を予感させる。
まだ体つきからは線の細さを感じるが、しっかりと体力を付けて故障なくトラックシーズンに挑めばどのくらい成長を見せてくれるのだろうかと、期待の膨らむ力走だった。

全日本実業団ハーフマラソン男子
男子も入りの5㎞が14分42秒とスローペースになり、芋の子を洗うような大集団でレースが進んだが、10㎞までの5㎞が14分22秒に上がり、15㎞までの5㎞も14分24秒で維持すると人数も次第に削られ、十数人に。
19㎞を過ぎて勝負を仕掛けたのは、25日に大阪マラソンでのファイナルチャレンジに挑む土井大輔(黒崎播磨)。
やはり東京マラソンでファイナルチャレンジに挑む木村慎(Honda)らここまで生き残ってきたパリオリンピックマラソン代表を目指すライバル選手を篩い落とすことには成功したが、ニューイヤー駅伝1区区間賞の太田直希(ヤクルト)、大阪ハーフで2位に入った四釜峻佑(ロジスティード)の10000m27分50秒台のスピードを持つ選手を引き離すことが出来ず、20㎞通過と同時にスパートをした四釜に突き放された。
ロングスパートで逃げ込みを図る四釜を太田、鎌田航生(ヤクルト)が追走したが距離が空き始め、20mほどの差で競技場へ。
残り1周を切ってラストスプリントに定評のある太田がラストの切り替えで前を行く四釜を追い詰めたが、最後は四釜が追撃を抑えきり、1時間00分41秒の好タイムでの優勝となった。
太田は同タイムの2位、太田と共に四釜を追った鎌田が1時間00分47秒で3位に入った。

四釜は昨年12月に10000mで27分50秒05の自己記録をマーク、大阪ハーフを1時間1分41秒で優勝と同タイムの2位となり、そして今大会では60分台で優勝と、この冬の充実度が素晴らしい。今後の目標を問われ、今シーズンはしっかりとマラソンへの準備に取り組んで、来年にマラソンで勝負できるようになることと答えたが、間近に迫る春のトラックシーズンでの活躍も楽しみだ。

ファイナルチャレンジ挑戦組では土井の好調さが目を引いた。1時間00分51秒と1時間1分を切る自己記録で6位、19㎞から自ら仕掛けていった辺りにステップレースではあるが、ここで勝ち切ることが出来なければ大阪マラソンでパリオリンピック代表の3枠目を勝ち取ることも望めない、という意気込みを強烈に発散するかのような激走で、ハーフをこのタイムで走ることが出来るのであれば、大阪マラソンで1㎞3分を切るペースとなってもある程度は余裕を持って追走することも可能だろう。
MGCでも9位に入っており、代表候補のダークホースに浮上してきた。

菊地駿弥(中国電力)も1時間00分57秒でフィニッシュ、先頭集団からは遅れたが大きく離されず、一定の距離を保ちつつレースを進め、優勝争いから零れてきた選手を拾いつつ、いつのまにか順位を9位に押し上げていた。
走りの強度で言えば、土井と比較すると出力を抑えた走りに見えたが、それでも1時間1分を切ってきた辺りに地力の強化が垣間見え、MGC出場には届かなかったが、昨年の大阪マラソン出場でファイナルチャレンジの権利は有り、3月3日の東京マラソンでは注目の存在と言えそうだ。

菊地同様に東京マラソンでファイナルチャレンジに挑む木村慎(Honda)も19㎞まで先頭集団に加わって1時間1分08秒で14位、菊地と同じポジションで走っていた、大阪マラソンに挑む西研人(大阪ガス)も1時間1分09秒で15位ときっちりと仕上げてきたが、15㎞辺りまで菊地、西と同じ集団に位置していたブダペスト世界陸上代表の西山和弥(トヨタ自動車)は1時間1分42秒で25位。
勿論タイムが悪い訳ではなく、ステップレースとしては充分と言って良い結果であり、マラソンへ向けてのプロセス、仕上げ方も人それぞれでもあるのだが、土井の気迫ある走り、菊地の成長ぶりを目の当たりにした分、インパクトに欠けていた感は否めない。
招待選手となっている大阪マラソンでの本領発揮に期待をしたい。

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2月11日
第62回延岡西日本マラソン大会
上位20名
1)伊福陽太(早稲田大)2:09:26※大会新
2)梅崎 蓮(東洋大)2:10:19※大会新
3)相馬崇史(大塚製薬)2:10:46※大会新
4)角出龍哉(愛知製鋼)2:11:29
5)山下侑哉(サンベルクス)2:11:37
6)西田壮志(トヨタ自動車)2:11:41
7)川田裕也(SUBARU)2:12:31
8)右田綺羅(トヨタ自動車九州)2:12:32
9)大橋秀星(小平市陸協)2:12:34
10)竹村拓真(SGホールディングス)2:12:39
11)加藤大誠(旭化成)2:13:58
12)太田黒卓(西日本鉄道)2:14:18
13)山藤篤司(トヨタ自動車)2:14:29
14)鈴木雄太(安川電機)2:15:06
15)川端千都(SGホールディングス)2:15:11
16)渡邊太陽(戸上電機製作所)2:15:40
17)吉田裕晟(三菱重工)2:17:55
18)山本竜也(小森コーポレーション)2:18:22
19)上杉祥大(創価大)2:18:37
20)櫻井亮也(JFEスチール)2:19:15

男子マラソン日本人学生歴代20傑
1)横田俊吾 (青山学院大) 2:07:47
2)柏 優吾 (東洋大学) 2:08:11
3)藤原正和 (中央大学) 2:08:12
4)吉田祐也 (青山学院大学)2:08:30
5)細谷翔馬 (帝京大学) 2:09:18
6)伊福陽太 (早稲田大学))2:09:26 ←NEW!
7)佐藤敦之 (早稲田大学) 2:09:50
7)土方英和 (國學院大学) 2.09.50
9)出岐雄大 (青山学院大学)2:10:02
10)藤田敦史 (駒澤大学) 2:10:07
11)瀬古利彦 (早稲田大学) 2:10:12
12)梅崎 蓮 (東洋大学) 2:10:19 ←NEW!
13)鈴木健吾 (神奈川大学) 2:10:21
13)堀尾謙介 (中央大学) 2:10:21
15)中村祐二 (山梨学院大学)2:10:49
16)竹井祐貴 (亜細亜大) 2:10:57
17)松尾淳之介(東海大学) 2:11:00
18)佐藤航希 (早稲田大学) 2:11:13
19)大野陽人 (大東文化大学)2:11:17
20)野口英盛 (順天堂大学) 2:11:20

2月11日
第52回全日本実業団ハーフマラソン大会
女子ハーフマラソン
上位20名
1)樺沢和佳奈(三井住友海上)1:10:13
2)西村美月(天満屋)1:10:22
3)唐沢ゆり(九電工)1:10:26
4)飛田凜香(第一生命グループ)1:10:33
5)永友優雅(メモリード)1:10:34
6)清水 萌(三井住友海上)1:10:37
7)髙橋優菜(しまむら)1:10:46
8)田村紀薫(日立)1:10:59
9)花野桃子(日立)1:11:06
10)堀尾和帆(ルートインホテルズ)1:11:06
11)原田紋里(第一生命グループ)1:11:08
12)田﨑優理(シスメックス)1:11:11
13)立迫志穂(天満屋)1:11:16
14)松田杏奈(三井住友海上)1:11:25
15)杉浦穂乃加(ニトリ)1:11:35
16)黒田 澪(京セラ)1:11:56
17)加藤綾華(ユニクロ)1:12:07
18)村上愛華(東京メトロ)1:12:09
19)西谷沙綾(大塚製薬)1:12:10
20)座間 栞(しまむら)1:12:10

男子ハーフマラソン
上位20名
1)四釜峻佑(ロジスティード)1:00:41
2)太田直希(ヤクルト)1:00:41
3)鎌田航生(ヤクルト)1:00:47
4)鈴木創士(安川電機)1:00:49
5)服部大暉(トヨタ紡織)1:00:49
6)土井大輔(黒崎播磨)1:00:51
7)西澤侑真(トヨタ紡織)1:00:54
8)W・P・キブイ(NTN)1:00:54
9)菊地駿弥(中国電力)1:00:57
10)福谷颯太(黒崎播磨)1:00:58
11)細森大輔(YKK)1:01:01
12)向 晃平(マツダ)1:01:04
13)藤曲寛人(トヨタ自動車九州)1:01:06
14)木村 慎(Honda)1:01:08
15)西 研人(大阪ガス)1:01:09
16)岩崎大洋(JFEスチール)1:01:22
17)中村高洋(京セラ鹿児島)1:01:30
18)N・ワウエル(中国電力)1:01:30
19)飯田貴之(富士通)1:01:30
20)野村優作(トヨタ自動車)1:01:31
※20位以降の注目選手の結果
21)伊豫田達弥(富士通)1:01:32
22)上田颯汰(住友電工)1:01:36
25)西山和弥(トヨタ自動車)1:01:42
27)内田隼太(トヨタ自動車)1:01:45
34)細谷翔馬(ロジスティード)1:01:56
36)設楽悠太(西鉄)1:01:58
37)湊谷春紀(NTT西日本)1:01:59
38)清野太成(中国電力)1:02:00
39)松本 稜(トヨタ自動車)1:02:00
40)前田義弘(黒崎播磨)1:02:00
47)富安 央(愛三工業)1:02:08
48)近藤亮太(三菱重工)1:02:08
50)山本修平(TeamNitro)1:02:09
60)佐藤諒太(警視庁)1:02:23
64)久保和馬(西鉄)1:02:25
71)竹内竜真(NDソフト)1:02:39
72)藤川拓也(中国電力)1:02:40
82)鈴木宗孝(MUSCLE TRIBE)1:02:54
84)森山真伍(YKK)1:02:58
85)鈴木塁人(SGホールディングス)1:02:58
93)關 颯人(SGホールディングス)1:03:09
111)平田幸四郎(SGホールディングス)1:03:59
120)金森寛人(小森コーポレーション)1:04:48
138)橋本隆光(小森コーポレーション)1:06:25
158)藤本 拓(TeamNitro)1:08:53
204)M 高史(CROSSBRACE)1:13:32

女子10㎞ロードレース
上位10名
1)森智香子(積水化学)32:51
2)尾崎 光(シスメックス)32:52
3)佐々木梨七(積水化学)32:53
4)對馬千紘(スターツ)32:56
5)川口桃佳(ユニクロ)32:57
6)八木美羽(岩谷産業)32:59
7)藤丸 結(十八親和銀行)33:00
8)阿部円海(ユニクロ)33:16
9)戎井那奈(大塚製薬)33:20
10)荒井優奈(積水化学)33:27
#全日本実業団ハーフ

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