2024年の日本グランプリシリーズ最終戦となる、エディオンディスタンスチャレンジin大阪2024が12月7日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われ、女子3000m障害では齋藤みう(日本体育大)が日本歴代8位となる9分45秒62で優勝を果たした。
男子5000mタイムレースは井川龍人(旭化成)が13分49秒30、女子5000mタイムレースは渡邊菜々美(パナソニック)が15分29秒67、女子10000mタイムレースでは菅田雅香(日本郵政グループ)が31分42秒28でそれぞれ総合優勝となった。
注目選手では女子5000mタイムレースに出場したパリオリンピック同種目代表の山本有真(積水化学)が15分44秒47で総合5位、10000m代表の小海遥(第一生命グループ)は15分50秒34で6位、女子10000mタイムレースに出場した、先月のクイーンズ駅伝で故障から復帰を果たした東京オリンピック、ブダペスト世界陸上の同種目で7位入賞の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)は32分29秒74で総合6位、日本歴代3位の30分45秒21の自己記録を持つ不破聖衣来(拓殖大)は33分19秒05で20位だった。
大会の進行に連れて吹きつける風が冷たい北風に変わって気温も下がり、期待されていた記録面に関しては全体としてやや奮わない結果となった中、初のトラック10000mで32分15秒57を記録して日本選手権10000mの資格記録を突破した高卒2年目の水本佳奈(エディオン)の健闘が光った。

女子3000m障害優勝の齋藤は今季5度目の9分台
日本歴代8位となる9分45秒62で女子3000m障害で優勝を果たした齋藤みうは、一昨年の日本インカレの同種目を制したが、昨年は記録面で停滞した1年となっていた。
それが今年は初戦となった兵庫リレーカーニバルを9分47秒76で制し自身初の9分台を叩き出すと、5月の木南記念を9分50秒97で優勝、6月の日本選手権はドーハ、オレゴンの二大会で世界陸上代表となった吉村玲実(クレーマージャパン)に惜敗したが9分48秒15で2位、気温30℃を超える厳しい残暑の中行われた日本インカレも9分57秒12で優勝と立て続けに4度9分台をマーク、その間、関東インカレでは1500mに出場し4分27秒04で優勝、ホクレンDC千歳大会では4分20秒を切る4分19秒13の自己記録をマークと、スピードにも磨きを掛けていた。
9月、2年ぶりに日本インカレを制した後、10月の全日本大学女子駅伝では1区を任された。脱水症状のように朦朧としながら襷を渡したあとは起き上がることが出来ず心配されたが、先週行われたNITTAIDAIChallengeGamesの女子5000mでは懸念を払拭して余りある15分27秒45の自己ベストと見事に立て直し、精神面の強さも見せた。
今大会はこの種目としては実施の珍しい12月のレースで調整が難しかったことは想像に難くなく、3人の少人数となった上に風もあり、条件も恵まれなかったなか、序盤から単独走で押し切って今季5度目の9分台、しかも自己記録更新で日本歴代8位と非の打ちどころのない内容で、5000mで15分27秒と総合的な走力も高まってきていることも併せ、来シーズンには久しく更新されていない、2008年に早狩実紀(京都光華AC)が打ち立てた9分33秒93にどこまで迫れるか、9分30秒切りを果たせるか、とても楽しみとなってきた。

東京世界陸上出場へ向けて
国内女子3000m障害は2019年のドーハ世界陸上では吉村玲美が、2021年の東京オリンピックでは山中柚乃(愛媛銀行)が、そして2022年のオレゴン世界陸上では山中と吉村が代表となったほか、西出優月(ダイハツ)が9分38秒95、西山末奈美(三井住友海上)が9分39秒28と9分40秒を切るなど若い選手たちの活躍で競技水準が一気に向上し、遥か彼方と思われた世界の背中がどうにか視界に入る位置にまで辿りついたと思われたが、2023年のブダペスト世界陸上、今年のパリオリンピックと代表派遣が叶わず、世界の舞台は遠ざかろうとしている。
国内で記録が停滞していた2年の間に世界のこの種目のレベルは上がり、東京オリンピックからパリオリンピック9分23秒と据え置かれていた参加標準記録も、パリオリンピックの結果を受けて来年の東京世界陸上では9分18秒と更に厳しくなっている。

また来年5月、韓国・亀尾で行われる、結果が東京世界陸上に直結するアジア陸上選手権に、パリオリンピック金メダリストの第一人者W・ヤヴィ(バーレーン)が出場するようであればアジアチャンピオンでの出場資格獲得も極めて厳しくなるが、2位、3位の表彰台に立つことが出来れば高いポジショニングスコアが得られるため、WAランキングでの出場圏内に迫ることは十分に考えられる。
アジア選手権の選考会は来年4月の金栗記念と併催で行われることが既に発表されているが、この間国内では冬季に入るため、有力選手たちはニュージーランドやオーストラリアなど、季節が真逆の南半球での大会に出場することがなければ、ほぼぶっつけ本番で選考会に臨むことになるだろう。
冬季トレーニングを効果的に積み、どれだけ力を蓄えることが出来るか、またベストのコンディションまで持っていけるか、今年急成長を見せた斎藤だけではなく、故障に悩まされている山中の復調、更には吉村、西出、西山といった若き実力者たちの奮起にも期待をしたい。
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エディオン ディスタンスチャレンジin大阪
女子3000m障害
1)齋藤みう(日本体育大)9:45.62
2)西出優月(ダイハツ)10:20.16
3)小池彩加(エフアシスト)10:26.15
※出場3名
女子3000mタイムレース総合 上位8名
1)坂尻有花(ワコール)9:35.26
2)今井花笑(愛知電機)9:35.45
3)長谷川結都(東大阪大敬愛高)9:36.09
4)中村瑚子(京都外大西高)9:36.53
5)橋本結菜(西脇工高)9:36.63
6)長谷川莉都(東大阪大敬愛高)9:42.50
※ここまで2組
7)増田来瞳( ヌヴェール高) 9:42.94※1組1着
8)北村 凜(東大阪大敬愛高)9:43.32※2組7着
男子5000mタイムレース総合上位8名
1)井川龍人(旭化成)13:49.30
2)石井優樹(NTT西日本)13:57.61
3)谷村恒晟(関西大)13:59.69
4)居田優太(大阪ガス)14:00.41
5)湊谷春紀(NTT西日本)14:02.33
6)北村友也(OBRS)14:03.90
7)川田啓仁(埼玉医科大学グループ)14:08.66
※ここまで4組
8)兵頭拓真(びわこ学院大)14:16.41 ※3組1着
以降の主な選手(順位は総合のみ)
9)久山大祐(関西学院大)14:18.04、10)中村光稀(京都産業大)14:19.54、11)河村 一輝(トーエネック)14:20.31、18)武川流以名(トーエネック)14:28.00、25)大森駿斗(立命館大)14:39.25、34)野口雄大(トーエネック)14:50.44
女子5000mタイムレース総合 上位8名
1)渡邊菜々美(パナソニック)15:29.67
2)下田平渚(センコー)15:35.97
3)信櫻 空(パナソニック)15:36.83
4)川村 楓(岩谷産業)15:42.93
5)山本有真(積水化学)15:44.47
6)小海 遥(第一生命グループ)15:50.34
※ここまで4組
7)逸見亜優(豊田自動織機)15:50.70 ※3組1着
8)藤元あみ(京セラ)15:52.61 ※3組2着
以降の主な選手(順位は総合のみ)
9)小園怜華(京セラ)15:53.32、10)西山未奈美(三井住友海上)15:53.44、11)石川桜子(パナソニック)15:54.57、12)山﨑りさ(日本体育大)15:54.67、13)真也加 ジェルーシャ有里(大塚製薬)15:55.40、14)鈴木葵(ニトリ)15:56.34、15)道下美槻(積水化学)15:57.96、16)山田桃愛(しまむら)16:00.19、18)松岡美来(宇和高)16:04.50、19)牛佳慧(日本郵政グループ)16:07.28、20)米澤奈々香(名城大)16:07.31、21)瀬川帆夏(シスメックス)16:09.34、22)田﨑優理(シスメックス)、28)小川陽香(立教大)16:17.51 、50)谷本七星(名城大)16:32.43、59)壁谷衿奈(豊田自動織機)16:43.13、64)佐藤奈々(東京メトロ)16:47.81、66)小笠原朱里(東京メトロ)16:55.09

女子10000mタイムレース4組 上位8名
1)菅田雅香(日本郵政グループ)31:42.28
2)伊澤菜々花(スターツ)31:44.85
3)K・カロライン(日本郵政グループ)31:51.45
4)矢田みくに(エディオン)32:14.31
5)水本佳菜(エディオン)32:15.57
6)廣中璃梨佳(日本郵政グループ)32:29.74
※ここまで4組
7)豊田由希(愛媛銀行)32:35.78※3組1着
8)風間歩佳(資生堂)32:37.45※3組2着
以降の主な選手(順位は総合のみ)
9)安藤友香(しまむら)32:38.51、10)堀尾和帆(ルートインホテルズ)32:42.93、12)森田歩実(東京メトロ)32:46.34、13)南雲栞理(肥後銀行) 32:47.72、15)兼友良夏(三井住友海上)32:59.53、16)尾崎光(シスメックス)33:01.59、18)棚池穂乃香(大塚製薬)33:08.17、20)不破聖衣来(拓殖大)33:19.05、25)川口桃佳(ユニクロ)33:35.54、28)逸木和香菜(九電工)33:46.68、30)石井寿美(シスメックス)33:50.49、37)山ノ内 みなみ(しまむら)34:35.47 、39)竹山楓菜(ダイハツ)34:45.81
参考資料
女子3000m障害日本歴代10傑
1)早狩実紀(京都光華AC)9:33.93
2)山中柚乃(愛媛銀行)9:38.19
3)西出優月(ダイハツ)9:38.95
4)西山未奈美(三井住友海上)9:39.28
5)吉村玲美(大東文化大)9:39.86
6)高見澤安珠(松山大)9:44.22
7)森智香子(積水化学)9:45.27
8)齋藤みう(日本体育大)9:45.62←NEW!
9)藪田裕衣(大塚製薬)9:46.44
10)石澤ゆかり(エディオン)9:48.76