日本グランプリシリーズ山梨大会、富士北麓ワールドトライアル2025が8月3日、山梨・富士吉田市の富士北麓公園陸上競技場で行われる。
9月に行われる東京世界陸上の出場資格記録の期限となっている8月24日まで実戦の機会が残り僅かとなっているなか行われる今大会の最大の注目ポイントは、女子100mHの日本記録保持者、福部真子(日本建設工業)が世界陸上参加標準記録を突破できるかだ。
この種目では、日本選手権で2位となった中島ひとみ(長谷川体育施設)が7月23日にフィンランドで行われたWAコンチネンタルツアーブロンズの競技会に出場し、12秒71を叩き出して標準記録を突破して代表をほぼ手中にし、日本選手権優勝の田中佑美(富士通)もランキング上位で出場資格を得る事が濃厚、現状ランキングスコアで出場圏内に届いていない福部としては、一気に参加標準記録の突破を狙ってくるものと思われる。
加えて午後からは雨の予報も出ていることもあり、予選から目が離せなくなりそうで、あるいはここで日本記録更新まであるかもしれない。
今季で競技の第一線から退く事を表明している寺田明日香(ジャパンクリエイト)は日本選手権では6位に留まり、代表選考で有利となる3位の確保が出来なかったが、ここにエントリーしてきている以上、東京世界陸上出場を諦めていないものと思われる。
数々の修羅場を潜り、世界の舞台への代表を勝ち取ってきたここ一番の集中力を発揮することができるか、注目だ。
男子100mは先日行われた広島インターハイで清水空跳(星稜高)が10秒00で標準記録を突破したことにより更に注目度が高まり、清水不在のこの大会でも記録への期待は一層膨らんでいる。
オーストラリアの競技会で優勝してランキングでの世界陸上出場圏内に入ってきた桐生祥秀(日本生命)はここにエントリーをしてきた以上、標準突破を狙ってくるだろう。
インターハイでは追い風参考ながら10秒06を叩き出し、結果として清水の10秒00を引き出した恰好の菅野翔唯(東京農大二高)も勢いがあり大注目で、公認記録でどんなタイムを出すのか楽しみだ。
また、実績のある小池祐貴、多田修平の住友電工勢、関東インカレで追い風参考ながら9秒97で走っている守祐陽(大東文化大)、の走りも注目で、山縣亮太(SEIKO)の復活にも期待をしたい。
男子400mは日本記録保持者の佐藤拳太郎(富士通)がアジア選手権で銀メダルを獲得して以降は調子が上がらず、個人種目での東京世界陸上代表が危うい状況となっており、日本選手権では1着でフィニッシュしながらラインオーバーを犯して失格となり、ランキングスコアを上げる事ができなかった佐藤風雅(ミズノ)も世陸出場のターゲットナンバー内のぎりぎりであることから、そこそこの記録でスコアを上げても大きな意味は持たない以上、参加標準記録の突破を目指してのこの大会出場と考えられる。
故障で出遅れて日本選手権にようやく間に合わせた中島佑気ジョセフ(富士通)も含め、日本選手権以降コンディションをどこまで上げる事が出来ているかが44秒85の標準記録突破へのカギとなりそうだ。
日本選手権を45秒29で制した今泉堅貴(内田洋行AC)も今季タイムをのばしてきおり、参加標準記録突破の可能性は充分ありそうだ。
男子400mHには世界陸上のランキングでの出場ラインにあと一歩に迫っている、筒江海斗(スポーツテクノ和広)山内大夢(東邦銀行)がエントリーしており、すでに代表内定を得ている井之上駿太(富士通)の仕上がりとともに二人の対決が注目される
東京オリンピック代表の山内が日本選手権2位、パリオリンピック代表の筒江が3位で、48秒台で出場圏内に入る事が出来れば、現在出場圏内にランキングを上げているが、日本選手権は予選落ちとなっている豊田兼(トヨタ自動車)との選考の優先順位は変わり、また48秒50の参加標準記録を突破出来れば代表をぐっと手繰り寄せることが出来る。
フィールドでも男子走幅跳で世界陸上代表を激しく争っている橋岡優輝(富士通)と、藤原孝輝(東洋大)の直接対決が実現しそうだ。

橋岡はランキングで出場圏内に位置しているが、日本選手権で3位を確保出来ず、選考の優先順位を上げるためには8m27の参加標準記録を突破するしかない状況で、日本選手権3位の藤原はワールドユニバーシティゲームズで銀メダルを獲得してランキングを大きく浮上させたが、出場圏内に入るためにはもう一押しが必要となっている。
この二人に加え、GGPで8m15を跳んでいる津波響樹(大塚製薬)も標準記録を突破すれば逆転で代表となる可能性が出てくる。
女子三段跳の船田茜理(ニコニコのり)も状況は厳しいが、ランキングでの世界陸上出場の可能性はまだ残されており、13m81の自己記録近くを跳んで今後の大会に望みを繋けるかが注目される。
今季の船田は切れのある助走が戻ってきており、日本選手権では自己ベストまであと1㎝に迫った。
その自己ベストは2022年8月のトワイライトゲームスで記録しており、夏場に強いタイプである点でも期待できそうだ。
女子走高跳の髙橋渚(センコー)は今年2月にヨーロッパで行われたWA室内ツアーを転戦し、1m92の室内日本記録を樹立、ランキングを大幅に上昇させて世界陸上出場が確定的となっているが、屋外シーズンに入って調子を落としており、世陸本番に向けてコンデションが上がってきているかどうかを見ておきたい。
1m88辺りをクリアできるかが一つのポイントだろう。
各国の選手たちも世界陸上出場資格獲得へ追い込みに入っているだろう。
ホスト国として迎える国内の選手たちもここからが正念場だ。
文/芝 笑翔
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