2月8日は、先週の香川丸亀ハーフマラソン、別府大分毎日マラソンに続き、第54回全日本実業団ハーフマラソン大会と第64回延岡西日本マラソン大会の二つのロードレースが行われる。
第54回全日本実業団ハーフマラソン大会のみどころ
山口市の維新みらいふスタジアムを発着点とする全日本実業団ハーフマラソン大会は、例年この大会をステップに2月後半、3月初旬のフルマラソンに挑む選手が多く、近年では2020年の第48回大会で1時間0分54秒の5位となった木村慎(Honda)がその後の東京マラソンで2時間7分20秒、2022年の第50回大会で1時間0分41秒の5位となった西山和弥(トヨタ自動車)は2週間後の大阪マラソンで2時間6分45秒、一昨年の第52回大会で1時間0分51秒で6位の土井大輔(黒崎播磨)も2週間後の大阪マラソンで2時間6分54秒、そして昨年の大会を1時間0分22秒で制した市山翼(サンベルクス)が3月の東京マラソンで2時間6分00秒と、それぞれ自己ベストで日本人選手トップ争いに加わっており、この大会の結果をそのまま次のマラソンに繋げている。
また、女子では2019年の第47回大会優勝の佐藤早也伽(積水化学)、男子では2023年の第51回大会で1時間0分32秒で日本人選手最先着を果たした近藤亮太(三菱重工)がこの大会をきっかけにその後マラソンで飛躍を遂げており、その観点からも注目の大会だ。
男子には、昨年に続き市山翼がエントリー、今年もこの大会を経て東京マラソンに挑む予定で、昨年同様の好結果を残せるか、注目だ。
直前のニューイヤー駅伝では5区を任され、順位は7位ながら従来の区間記録を更新しており、コンディションの良さが窺える。
東京マラソンにピークを合わせている中で、昨年の大会で記録した1時間0分22秒や、2021年の第49回大会で市田孝(旭化成)がマークした1時間0分19秒の大会記録を更新し、59分台に迫ることが出来るようであれば、その東京マラソンでも相当な活躍が期待できそうだ。
先週に行われた別府大分毎日マラソンで福谷颯太が2時間7分11秒でMGC出場権を獲得した黒崎播磨からは細谷恭平、田村友佑、土井大輔のマラソンの実力者3人がエントリー。
細谷、土井は大阪、田村友佑は東京と今大会後に挑むマラソンは異なるが、細谷は昨年の大会で残した1時間0分43秒の結果を2週間後の大阪マラソンでの2時間5分58秒の自己ベストに繋げており、土井はここ2024年大阪マラソン以降の2戦ではこれまでの安定感から比較するとやや結果が振るわず復調のきっかけを掴むべく、また田村友佑は2時間7分36秒の好結果を残した2024年のベルリン以来久々のフルマラソンへと、この大会で弾みを付けたいところ。福谷の力走で得たチームの勢いは更に加速するのか注目したい。

勢いのあるチームという点では、ニューイヤー駅伝でチーム最高の2位に入ったロジスティードからは、細谷翔馬、富田峻平、村松敬哲、山谷昌也らがエントリー。
フルマラソンで2時間7分48秒の自己ベストを持つ細谷翔馬は大阪マラソンで自己ベスト更新を目指してのステップということになるが、ニューイヤー駅伝1区区間賞の富田、6区4位の村松はトラックで力を付けて駅伝でも結果を残し、また山谷はニューイヤーのメンバーからは外れたが、トラック10000mで27分50秒77のスピードが有り、ハーフマラソンでも1時間0分台の力は十分備えていそうだ。
男子ではほかにも、國學院大時代の2022年、コロナ禍の特別措置でこの大会に出場し、1時間0分43秒をマークした山本歩夢(旭化成)、かつての青山学院大のエースで、卒業後は思うような結果を残せていなかったが、今年のニューイヤー駅伝ではエース区間の2区で5位と復調してきた近藤幸太郎(SGホールディングス)、共に東京オリンピック5000m代表で、久々のハーフマラソンとなる松枝博輝、坂東悠汰(富士通)に注目したい。
女子の優勝候補筆頭は樺沢和佳奈(三井住友海上)。
一昨年の第52回大会を1時間10分13秒で制し、トラックシーズンに入っても好調でパリオリンピック5000m代表にも選ばれたが、昨年のトラックシーズンは一転してレース自体になかなか出場出来ず、自国開催の東京世界陸上代表を逃した。
秋のロードシーズンに入ってもクイーンズ駅伝までは調子が上がってこなかったが、12月に行われたエディオンディスタンスチャレンジの10000mでは30秒台が目前に迫る31分03秒14の自己記録をマークしようやく復調、1月の全国都道府県女子駅伝でも10㎞のアンカー区間で区間賞と好調を維持しており、2年ぶりのハーフマラソンでの優勝とともに、1時間8分台に届くのかにも注目したい。
ハーフマラソンで1時間8分58秒の自己記録を持つ川村楓(岩谷産業)は大阪マラソン出場を控えてのエントリー。
マラソンでも2時間25分44秒と着実に力を付けてきているが、1月の全国都道府県駅伝はアンカー区間で16位と、ロードに強い川村としては力を発揮できないレースになっていたのが気になるところ。優勝を争うにはどこまでコンディションが上がって来ているかがカギになる。
台頭が望まれる若手選手では積水化学入社1年目の山崎りさに期待をしたい。
日本体育大時代から2023年のワールドユニバーシティーゲームズ代表に選ばれるなどトラックを中心に活躍、積水化学入社後はクイーンズ駅伝でエース区間の6区に抜擢され区間2位、トラックでも12月のエディオンディスタンスチャレンジの10000mで日本人トップ争いに加わって31分18秒54の自己ベストと、一層力を付けてきており、初のハーフマラソンでどのようなタイムを出すのか楽しみだ。
ほかでは、メイン種目は3000m障害だがハーフでも1時間10分27秒と力のある西山未奈美(三井住友海上)、2018年以来久々のハーフマラソンとなる、2016年リオデジャネイロ、2024年パリオリンピックトラック10000m代表の高島由香(資生堂)、そして初のハーフマラソンとなる不破聖衣来(三井住友海上)にも注目したい。
第64回延岡西日本マラソン大会のみどころ

延岡市役所を発着点とする42.195㎞のコースで行われる第64回延岡西日本マラソンは、MGCシリーズ加盟の男子グレード3大会であり、2時間6分30秒のMGC参加標準記録を突破すれば順位に関わらず、或いは2時間9分00秒以内で優勝をすれば、来年秋に予定されるロサンゼルスオリンピック代表選考競技会、MGCへの出場権を獲得することが出来る。
かつては若手の登竜門の位置付けであった延岡西日本マラソンも、昨年は湯浅仁(トヨタ自動車)が2時間9分43秒、一昨年は伊福陽太(当時早稲田大、現住友電工)が2時間9分26秒とサブテンで優勝を果たしており、現実的に2時間8分台も狙える大会に変貌しつつある。
今大会には、2019年、2023年と過去2度のMGCに出場し、13位、12位の結果を残している、自己ベスト2時間8分31秒を持つ実力者の河合代二(トーエネック)、一昨年の別府大分マラソンで30㎞まで優勝争いに加わり、昨年の福岡国際マラソンでもハイペースの日本人トップ集団に中間点過ぎまで食らい付いた吉岡智輝(クラフティア)、ニューイヤー駅伝の5区で4位ながら従来の区間記録を更新して好調な池田勘汰(中国電力)、ハーフの自己ベストは1時間0分47秒で、法政大時代は日本学生ハーフに優勝しユニバ代表を経験している鎌田航生(ヤクルト)らが出場を予定し、2時間9分を切って優勝を果たしてのMGC出場権獲得を目指す。
そのほか、先日に今シーズンを以っての引退を発表しこれが最後のフルマラソンとなる村山謙太(旭化成)、昨年の箱根駅伝では1年ながら山登りの5区を担って区間10位と健闘、昨年11月の世田谷ハーフでも優勝を果たしており、大学2年でのサブテン達成となれば史上最年少となる山口翔輝(創価大)、競歩の普及と知名度向上のため、フルマラソンの選手と同じコースを歩いて勝負するオレゴン、ブダペストの二大会連続35㎞競歩メダリストの川野将虎(旭化成)にも注目したい。
気になるのは日向市の原町交差点を折り返して以降向って吹くことが多い海風で、一昨年に2時間9分26秒の大会記録をマークした際の伊福も一時は8分台もどうかという勢いを見せたものの、35㎞以降は向かい風に悩まされており、記録を目指すうえで一つのカギになるだろう。
伊福の大会記録を更新し、2時間9分切りで優勝を果たしてMGC出場権を獲得する選手が現れるのか、延岡西日本マラソンに新たな歴史が刻まれることを期待したい。
文/芝 笑翔
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