名古屋2026アジア大会代表内定の1枠を巡る熱き闘い!男子は新種目初代世界記録保持者の誕生も!109回日本陸上競技選手権大会・ハーフマラソン競歩の展望

第109回日本陸上競技選手権大会・ハーフマラソン競歩が2月15日に神戸市・六甲アイランドで行われる。
第108回日本陸上競技選手権までは20㎞競歩として実施されていたが、WAの国際大会での競歩の実施距離が、東京世界陸上後は20㎞がハーフマラソンと同じ21.0975㎞、35㎞がフルマラソンと同じ42.195㎞へと変更になったことに伴って、今回日本選手権では初めてハーフマラソン競歩として行われることになった。
国内では東京世界陸上後の10月に行われた高畠競歩で1度男女のハーフマラソン競歩が実施されており、男子は逢坂草太朗(東洋大)が1時間23分33秒、女子は永井優会(金沢学院大)が1時間42分14秒でそれぞれ優勝を果たしているが、海外でもこのディスタンスでの競技会の実施はまだ少なく、男子1時間21分30秒、女子は1時間30分30秒のWAの定める世界記録認定基準を上回った例はなく、初代世界記録保持者誕生も期待される。

また、今大会は9月に名古屋で行われるアジア大会の代表選考会を兼ねており、優勝者は日本陸連の定める代表選考基準により代表に内定する。
即時代表権を得られなかった選手も、後に続く選考会での結果を比較したうえで代表となる可能性が残る、3位以内に入ることも重要となる。

男子の展望
男子の注目選手の筆頭は、20km競歩で1時間16分10秒の世界記録を保持する山西利和(愛知製鋼)だ。
世界陸上では20㎞競歩で2019年ドーハ大会、2022年オレゴン大会を連覇、オリンピックでも東京大会で銅メダルを獲得と、国際大会で輝かしい実績を残してきたが、パリオリンピック代表選考会として行われた2024年の第107回日本選手権20㎞競歩では歩型違反による失格で代表を逃し、3度目の金メダル獲得を目指して挑んだ昨年の東京世界陸上でも累積警告でペナルティーを受け、その後も競技を続けたものの28位と近年は競歩でも進んでいる厚底シューズによる高速化への対応の反動なのか、歩型違反に悩まされている。
不本意な結果となった東京世界陸上後の第1戦がハーフマラソン競歩の初戦になるが、現20㎞競歩世界記録保持者としてハーフマラソン競歩の世界記録保持者の第1号となり、名誉挽回を心に期してもいるのではないだろうか。
距離延長は問題ないと思われ、あとは京都大工学部卒の明晰な頭脳で高速化への対応で生じた歩型のズレへの対策を講じることができているかだ。

東京世界陸上では20㎞、35㎞の二種目に出場した丸尾知司(愛知製鋼)は、20㎞競歩の自己記録が1時間17分24秒、35㎞も2時間24分24秒でどちらも世界歴代12位と世界レベルのスピードとスタミナを兼ね備えたオールラウンダータイプのウォーカーで、2017年のロンドン世界陸上の50㎞競歩にも出場している代表経験も豊富なベテランだが、昨年の第108回日本選手権では上記自己記録の1時間17分24秒で山西利和に次ぐ2位に入って東京世界陸上代表の座を掴んでおり、パリオリンピック以降の充実ぶりが光る、有力な優勝候補の一人だ。

吉川絢斗(サンベルクス)も昨年の第108回日本選手権20㎞で序盤から積極的なレースぶりで山西、丸尾に食らい付くと、単独歩となってからも粘り抜いてパリオリンピック20km代表の濱西諒(サンベルクス)を抑えて3位でフィニッシュし、代表に選ばれた東京世界陸上では1時間19分46秒で日本代表選手最先着の7位に入った、今勢いのある若手選手でロサンゼルスオリンピックへ向けての期待も高い。

また、東京世界陸上の35㎞競歩で銅メダルを獲得したベテランの勝木隼人(自衛隊体育学校)も今大会にエントリー、本命は来月に能美で行われる第110回日本選手権マラソン競歩でのアジア大会代表獲得と思われるが、20㎞競歩でも丸尾、吉川を抑えて一昨年の能美競歩を1時間18分43秒で制した実績があり、上位争いに加わってくるだろう。

その他にも、パリオリンピックの20㎞競歩で8位入賞を果たした古賀友太(大塚製薬)、同じくパリオリンピック20㎞競歩代表で、トラック5000m競歩では18分16秒97の日本記録を持つ、スピードのある濱西諒太(サンベルクス)、パリオリンピックでは男女混合リレー競歩代表となった髙橋和生(NDワークスグループ)、オレゴン世界陸上20㎞競歩8位入賞の住所大翔(富士通)、ブダペスト世界陸上35㎞競歩6位入賞の野田明宏(自衛隊体育学校)、2022年杭州アジア大会20㎞競歩で銅メダルを獲得した村山裕太郎(富士通)、男女混合35㎞リレー競歩で銀メダルを獲得した石田昴(自衛隊体育学校)ら国際大会代表経験のある実力者に、学生からも昨年のワールドユニバーシティゲームス20㎞競歩銀メダルの土屋温希(立命館大)、同4位の原圭佑(京都大)、昨年高畠で初めて実施されたハーフマラソン競歩を制した逢坂草太朗(東洋大)ら有望選手が揃ってエントリーしており、優勝争いはもちろん、アジア大会代表選考対象となる3位を巡っても激戦必至の様相だ。

女子の展望


女子は東京世界陸上で銅メダルを獲得した藤井菜々子(エディオン)のエントリーは無く、パリオリンピックの男女混合リレー競歩代表の柳井綾音(立命館大)が優勝の本命だ。
柳井は、世界陸上でもブダペスト、東京の二大会で20㎞競歩代表を経験しているが、世界の壁に跳ね返されており、藤井菜々子や昨年で第一線から退いた岡田久美子(富士通)のように世界大会でメダル獲得、あるいは入賞を争う水準まではまだ力の差が感じられ、奮起が望まれるところだ。
日本選手権を制し、一段の飛躍を遂げることを期待したい。

東京世界陸上35㎞代表の梅野倖子(LOCOK)は20㎞競歩でも今大会の資格記録が柳井の1時間30分25秒に次ぐ2番目の1時間31分02秒と力があり、対抗となりそうだ。
また、2022年のU20世界陸上の10000m競歩で銀メダルを獲得した大山藍(自衛隊体育学校)は、20km競歩では結果を残すことが出来ていないが、成長を期待したい若手選手の一人だ。
その大山を抑え、今年の元旦競歩の10kmで優勝を果たした谷純花(金沢学院大)も、柳井と共に昨年のワールドユニバーシティゲームズの20㎞競歩に出場した経験があり、上位争いに加わってくるだろう。

2012年のロンドンオリンピックの20㎞競歩で8位に入賞、昨年の東京世界陸上の35kmでも代表となるなど7度世界陸上に出場している大ベテランの渕瀬真寿美(建装工業)は近年35kmが主戦場となっているが、20㎞でも柳井を凌ぐ1時間28分
03秒の自己ベストがあり、また、神奈川大学時代に柳井、梅野らと日本インカレ等で鎬を削った内藤末唯(ウィザス)、2023年の日本インカレでは柳井、内藤を抑えて優勝している下岡仁美(NARA-X)も上位を窺う。

同時開催の第37回U20選抜競歩大会
同日には第37回U20選抜競歩大会も開催され、男子10㎞には高校総体、国民スポーツ大会5000m競歩優勝の山田大智(西脇工業)、女子10㎞には一昨年の高校総体5000mを制した奥野紗(浪速高→関西大)、昨年の高校総体優勝の田畑晴光(西城陽高)、国民スポーツ大会を制した逢坂ひかり(市立西宮高)らがエントリーしており、次世代の日本競歩界を担って行くであろう、若い選手たちの活躍も楽しみだ。

文/芝 笑翔

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