日本記録保持者の前田穂南が参戦!昨年2位の佐藤早也伽、初マラソンの樺沢和佳奈らと連覇を目指すチェプキルイに挑む!鈴木亜由子の復活はなるか!名古屋ウィメンズマラソン2026の展望

名古屋ウィメンズマラソン2026が3月8日、バンテリンドームナゴヤを発着点とする42.195㎞のコースで行われる。
例年国内ロードシーズンを締め括る大規模大会として多くのファンが沿道に詰めかけているが、今年は秋に名古屋アジア大会の開催を控え、また、ロサンゼルス五輪代表選考会のMGCが来年10月に名古屋で実施される事も決まり、レース当日は一段と盛り上がることとなりそうだ。

今年の大会の最大の注目ポイントは、日本記録保持者の前田穂南(天満屋)の参戦だ。
前田は一昨年、パリ五輪代表へのファイナルチャレンジとして挑んだ大阪国際女子マラソンで、野口みずきが2005年に樹立した2時間19分12秒の日本記録を19年ぶりに更新する2時間18分59秒でフィニッシュし、代表の座を掴んだが、五輪本番直前に大腿骨の疲労骨折が判明し、無念の欠場となっていた。
昨年5月に5㎞ロードレースで実戦に復帰すると、6月に函館ハーフ、7月にはホクレンDCの5000mとレースを重ね、9月にはベルリンマラソンに挑んだが、2時間24分36秒と、既に始まっていたロサンゼルス五輪へ向けてのMGCの参加標準記録、2時間23分30秒に届かなかった。
その後、クイーンズ駅伝を挟み、今年1月にヒューストンハーフに出場して1時間10分07秒とコンディションは徐々に上向いて来ているようで、東京五輪以降初のフルマラソンとなった2023年の大会で2時間22分32秒を記録して以来2度目の出場となる名古屋での完全復活を期待したい。

昨年の大会で自己ベストの2時間20分59秒をマークして2位に入り、東京世界陸上代表となった佐藤早也伽(積水化学)にとって、名古屋は2020年に2時間23分27秒の鮮烈デビューを飾った初マラソンの地でもある。
2時間31分15秒で13位と入賞争いに絡むことが出来なかった東京世界陸上からのリスタートとして、昨年に続く自己ベスト更新を目標に掲げてスタートラインに立つ。

パリ五輪10000m代表の五島莉乃(資生堂)は昨年、名古屋で初マラソンに挑んだが、15㎞過ぎには先頭集団から遅れ始め、2時間26分08秒の10位と周囲からの期待に充分に応えたとは言い難い結果に終わっている。
その後、9月の全日本実業団の10000mまでレース出場がなかったが、クイーンズ駅伝では10.6㎞のエース区間の3区で区間新と復調を感じさせるロードでの強さを見せており、今大会でリベンジを果たす準備は整っているようだ。

パリ五輪では5000m代表となった樺沢和佳奈(三井住友海上)は、今大会で初マラソンに挑む。
パリ五輪後、昨年の春のトラックシーズンはDNSが続き、東京世界陸上代表争いに絡むことがなかったが、そのころからマラソン転向への準備を進めていたのであれば腑に落ちるところだ。
ロードシーズン初戦のクイーンズ駅伝では1区を担いながら19位とチームに弾みを付けることが出来なかったが、以降は11月の日体大チャレンジゲームズの5000mで15分19秒45と自身二度目の15分20秒切りを果たすと、翌週のエディオンディスタンスチャレンジの10000mでは30分台が目前に迫る31分03秒14の自己ベストと結果を残した。
今年に入り、途中吹雪と見紛うほどの雪と強風に見舞われた実業団ハーフを1時間9分20秒の自己ベストで制し、その2週後には福岡で行われたアジアクロスカントリー選手権のシニア10㎞で優勝と更に調子を上げてきているが、初マラソンを前にしたプロセスとしてはややタイトなスケジュールをこなしてきたようにも感じられ、この強化の方針がどのような結果をもたらすのか、興味深い。

名古屋と言えば、地元愛の大変強い土地柄でもあるが、今年の大会には、豊橋市出身で名古屋大卒の鈴木亜由子(日本郵政グループ)、名城大卒の加世田梨花(ダイハツ)、豊川高卒の安藤友香(しまむら)と名古屋、愛知にゆかりのある3人が特別招待選手となっており、沿道からもより大きな声援が送られることだろう。
鈴木は2時間21分33秒の自己ベストをマークしながらパリ五輪代表を逃した2024年の大会以来の、安藤は2時間35分37秒で28位と力を発揮しきれなかった東京世界陸上から、加世田もパリ五輪、東京世界陸上とマラソン代表を逃しており、三者三様に再起を期してのフルマラソンであり、特に鈴木は招待選手記者会見で、アジア大会が名古屋で行われる事で自ら奮い立たせてきたと、代表への強い思いを滲ませている。

特別招待選手以外では、昨年の大会で25km過ぎまでハイペースの先頭集団に食らい付き2時間25分36秒の自己ベストをマークし、今年は1月の大阪国際女子マラソンでペースメーカーを担い、中間点をハーフの自己ベストの1時間10分18秒を凌ぐ、1時間10分13秒で余裕を持ちつつ通過して役割を果たした大森菜月(ダイハツ)に好調さと地力の強化が感じられ、順位に関係なくMGC出場権が得られる2時間23分30秒の参加標準記録の突破も実現可能なところまで迫っているものと思われ、また、丸亀ハーフで1時間10分29秒の自己記録をマークした北川星瑠(ユニバーサルエンターテインメント)がどこまで先頭集団に食らい付けるか、5000m15分23秒82を持つスピードランナーの信櫻空(横浜市陸協)、ドーハ世界陸上10000mの代表歴があるベテラン、山ノ内みなみの初マラソンにも注目をしたい。

こうした日本勢の前には、連覇を目指すS・チェプキルイ(ケニア)、A・デスタ(エチオピア)の2時間17分台の自己ベストを持つ海外勢が立ちはだかる。
特にチェプキルイは昨年のレースでは優勝争いから一度は遅れた佐藤早也伽の追い上げに気付くと、自らは脚を貯めて佐藤を引き付け、追い付いたと思わせたところで再度突き放しているように勝負術に優れている。
また度々来日し、招待選手の常連となっているE・チュンバ(バーレーン)はおそらくアジア大会でも日本勢のライバルとなる選手なので、上位を目指す日本の選手は先着しておきたいところだろう。

今大会は田中希実(New Balance)が10㎞までのペースメーカーを務めることも話題の一つとなっているが、前田穂南は2024年に日本記録を更新した際、中間点を過ぎて間もなく新谷仁美(積水化学)らペースメーカーを振り切って先頭集団からの飛び出しを見せており、今大会でもどのタイミングで仕掛けてくるのかも注目点の一つで、また選手たちにとっては32㎞付近から続く長い上り坂までにどれだけ体力を温存できるかも勝負の上でのポイントとなる。

照明に照らされた真っ白なカーペットを駆け抜け、バンテリンドームのフィニッシュテープを真っ先に切る選手は誰か、初マラソンの樺沢は大阪国際女子マラソンで2時間20分切りを果たした矢田みくにに続く事はできるのか、前田穂南、鈴木亜由子の復活はなるか、スタートの号砲は9時10分に打ち鳴らされる。

文/芝 笑翔

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